Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【女王の百年密室-GOD SAVE THE QUEEN】 森博嗣

 11, 2012

◆◇◆輪廻転生◆◇◆

百年シリーズ
長編
幻冬舎 2000.7
  幻冬舎ノベルス 2001.12
  幻冬舎文庫 2003.6
  新潮文庫 2004.2


■あらすじ

2113年の世界。小型飛行機で見知らぬ土地に不時着したミチルと、同行していたロイディは、森の中で孤絶した城砦都市に辿り着く。それは女王デボウ・スホに統治された、楽園のような小世界だった。しかし、祝祭の夜に起きた殺人事件をきっかけに、完璧なはずの都市に隠された秘密とミチルの過去は呼応しあい、やがて──。神の意志と人間の尊厳の相克を描く、森ミステリィの新境地。
(新潮文庫より)

■感想
森作品の中ではちょっと異色なシリーズです。
舞台は今から100年後の世界。
ミチルとウォーカロンのロイディは、衛星の誤作動により道に迷い、一人の老人と出会う。
老人から、この先の森の中に街があるので、「神に導かれた」、「女王に会いにきた」と言って、
中に入れてもらうようにと指南される。
そこは四方を高い塀で囲われた、女王が統治する独立したコミュニティで、「ルナティックシティ」と呼ばれていた。
この街は100年前に造られ、以来一人も街から出たものはいないという。
外からの訪問者はミチルが二人目で、一人目はミチルが探し求めていた人物だった。
しかし、ミチルの歓迎パーティのさ中、殺人事件が起きてしまう──。

ミチルから見た100年前の世界がちょうど私たちの生きる現代なのだけど、
今ごくあたりまえの技術が、博物館の展示物にある骨董品のように捉えられていることに
少なからず衝撃を受けました。
でもこの作品が書かれた当時、i-mode(今となってはこれも懐かしい響きですね^^;)はあったけれど、
たかだか10年後にはiPadやスマホのような携帯情報端末が現れるとは、
さすがの森先生も予想できなかったみたいですね(笑)
ミチルの時代にはゴーグルからあらゆる情報が入手でき、音声で指令出来るようになっています。
確かにスマホを操作しながら歩くと前方不注意で危ないですから、両手が使えるというのは格段の進歩かも。
でも100年後といわず、もっと近い未来に可能な技術のような気もしますね。

この街では死の概念がなく、人は永い眠りにつくという。
永い眠りについた者は、冷凍保存され、復活を願う。
また、治療施設がなく、警察もない。
この街の独特の価値観にミチルは翻弄され、自分の背負ってきた過去と人としての使命感の間で葛藤します。
ミチルの心的描写が胸に迫り、生と死について深く考えさせられました。

さて、物語では殺人事件が起き、それが密室であったので、
いったいどんなトリックが仕掛けられているのかとワクワクしていたのですが・・・
これはミステリとしては反則ですねぇ。
そもそもこの作品をミステリとして分類していいものかどうか・・・
どちらかというとSFかファンタジーのような気がします。
かなり甘めに見積もれば、叙述ミステリと言えなくもないですが(^^;)
第2作をテーマ読みに入れようと思って先に読んだのですが、ちょっと微妙~。
テーマ読みに入れる作品をもう一度吟味する必要があるかもしれないなぁ。
とりあえず、次回からテーマ読み開始します(^^)/

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267
◆冷や汗度404404404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • SFが好きな方
  • 哲学が好きな方
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Tag:森博嗣 サエバ・ミチル 百年シリーズ

COMMENT 4

Tue
2012.06.12
19:46

miroku

URL

百年シリーズ

『迷宮百年の睡魔』・・・。
出版社サイドの分類上はミステリーですが、・・・SFですね。
分類上ホラーとされる『クリムゾンの迷宮』の方が、まだミステリー要素が強いと感じられます。
出版社の都合と、ジャンルのクロスオーバー現象のせいで、近年ではジャンル分けにさしたる意味もないような気がします。
でも、『迷宮百年の睡魔』は面白かったですよ。
これ、2冊とも読まないと本来の味わいがわからない構造になっているように思います。
私はSF作品をよく読むので、第1作はさほど面白いと感じなかったですが、2冊目読了時には評価が変わりました。
それから、瀬名秀明『デカルトの密室』もある意味で似たような作品で、こちらも面白かったですよ。

Edit | Reply | 
Wed
2012.06.13
00:30

翠香

URL

mirokuさんへ

確かに、ミステリだと思って読んでみたら違った!ということが時々ありますね(^^;)
『クリムゾンの迷宮』・・・ミステリ要素があるのですね。
じゃあテーマ読みに入れようかな?・・・でも怖そうだなぁv-404

『迷宮百年の睡魔』は、テーマ読みに入れる入れないにかかわらず、必ず読みますよ。
四季シリーズとの関連もあるそうなので。
やっぱりミチルという名は真賀田四季とつながるので、気になります。

『デカルトの密室』、チェックしてみます。情報ありがとうございます。

Edit | Reply | 
Thu
2012.06.14
22:46

mokko

URL

大好きです(*´◇`*)

これを読んだ時はジャンル考えてなかったけど
生と死をテーマにしたSFと捉えてましたぁ
確かにこの作品は2作読んで、秘密が明かされるって仕組みがあるので
是非続編も読んでいただきたいです。
問題はテーマ読みになるかってことですよねぇ~
続編の方がミステリ要素があるかなぁ~
殺人の部分だけにスポットを当てればですけど(^◇^;)
mokkoはロイディが欲しいだけなんですけど(○ ̄m ̄)

Edit | Reply | 
Fri
2012.06.15
00:07

翠香

URL

mokkoさんへ

そうなんです。通常の読書なら別にミステリだろうが、SFだろうがかまわないのですが、
テーマ読みとして考えると、入れていいものかどうか・・・。
本作も殺人事件は起こったけど、それはないだろうってものだったし(^^;)
どのみち四季シリーズの前に読むのだから、勢いで入れてしまおうかな?

ロイディ、もう少し愛想があるといいのだけど(^^;)
もしロイディが自分のものだったら、執事の恰好をさせて、
「お嬢様」と呼ぶようにプログラムしちゃうぞ♪
(めちゃめちゃ楽しんでるじゃないか!>自分w)

Edit | Reply | 

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