Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

ミステリ小説・ドラマ・映画のレビューと、フィギュアスケートに関する話題について。ド素人なので初心者にも分かりやすく、楽しくを心掛けていきたいです。

Take a look at this
トップ > 鯨統一郎 > 【隕石誘拐-宮沢賢治の迷宮】 鯨統一郎

【隕石誘拐-宮沢賢治の迷宮】 鯨統一郎

 19, 2012

◆◇◆『銀河鉄道の夜』に隠された秘密◆◇◆

鯨統一郎(シリーズ外)
長編
カッパ・ノベルス 1999.6
  光文社文庫 2002.3


■あらすじ

 名作『銀河鉄道の夜』の幻の第五次稿には、ダイヤモンドの隠し場所を記す暗号があった・・・・・・!
 妻と息子が誘拐された! 童話作家修業中の中瀬研二は、誘拐犯の思惑を探る。狙いは、妻・稔美が、亡き父から在りかを知らされていたらしいダイヤモンド!?
 誘拐犯たちに先回りして家族を救出するため、研二は賢治童話の謎を探り始める。
 注目気鋭の第一長編、登場!
(光文社文庫より)

■感想
テーマ読み【迷宮】第2弾は、【隕石誘拐-宮沢賢治の迷宮】です。
今回はサブタイトルに『迷宮』があるものを選びました(^^)

鯨作品については、【なみだ研究所へようこそ!】しか読んでいないので、
(ドラマでは六波羅一輝シリーズも観ています)脱力系ユーモアミステリというイメージを持っていたのですが、
本作はそのイメージを払拭させるようなサスペンスものです。

童話作家を目指している中瀬研二は妻・稔美と息子・虹野を何者かに誘拐されてしまいます。
一応シリアス路線ではありますが、そこはやっぱり鯨作品、トンデモ設定なんですね。
犯人グループの狙いは宮沢賢治がどこかに隠匿したという七色のダイヤモンド
私は寡聞にして知らなかったのですが、宮沢賢治は鉱物や宝石に詳しく、
鉱物採集のための山歩きを日課としていたそうです。
その過程でダイヤモンドの鉱脈を発見していたとしても不思議ではないですが、
しかし七色のダイヤモンドなんて実在するのかどうか(^^;)
しかも賢治はダイヤモンドの在り処を暗号にして幻の『銀河鉄道の夜』第五次稿に封じ込めたというのですから、
眉唾ものです。

宮沢賢治の研究家だった稔美の父・布施獅子雄は生前、賢治の暗号を解読し、稔美の記憶の奥底に刻み込んだという。
そこで研二は、友人たちの協力を得て、稔美を救出すべく、七色のダイヤモンドを探すことになります。
この研二パートは宮沢賢治研究と宝探しの要素が盛り込まれていてなかなか興味深いですが、
奥さんが拉致監禁されているという状況下では、いささか緊迫感に欠けますね。
一方、犯人グループは、あの手この手で稔美からダイヤモンドの在り処を聞き出そうとします。
この稔美パートは、エロティックな描写がかなりありますので、通勤電車で本を読む方は注意が必要です(^^;)
さらにミスマッチなのが、稔美の潜在意識として現れるのが、妖精のような小さな男の子・風の又三郎(笑)
又三郎によって、稔美は幾度か危機を潜り抜けるのですが、
バイオレンスの中のメルヘン・・・やっぱり鯨さんって変だ(^^;)

とはいえ、ミステリ要素もちゃんと盛り込まれていて、最大の謎は黒幕の正体は誰なのか?だと思います。
これは二転三転しますので、かなり翻弄されましたね。
でも、正体がバレる直前に「コイツ怪しいかも」と気付いてしまう描写があるので、
もう少し上手く隠してくれたらもっと驚けたのに(^^;)

この作品は鯨さんの第一長編なので、新進としてはいろいろな要素を盛り込みたい時期だったのかな。
ツッコミどころも多々ありますけど、宮沢賢治の意外な一面を知ることが出来たのは収穫かも(笑)

ああ、2作続けて変な作品を読んでしまった(^^;)
お次は海外ものを予定していますが、どうなりますやら。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267267
◆冷や汗度404404404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • 近代文学研究に興味がある方
  • 二時間ドラマ的サスペンスが好きな方

◆テーマ読み迷宮◆
迷宮バナー

関連記事
スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
ランキングに参加しています。下のバナーをクリックして応援お願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

Tag:鯨統一郎 宮沢賢治

COMMENT 4

Thu
2012.06.21
10:59

miroku

URL

鯨さん・・・

変ですよね・・・。
名前も変だけど。 (^◇^)
これ、鯨さんにしてはよく出来ている方ですよね。
いつもネタ優先で、「なんだかなぁ・・・」という感じの作品が多いのですが・・・。
珍しく後味が悪いのが難点ですが、結構面白いと思いました。

Edit | Reply | 
Thu
2012.06.21
18:18

mokko

URL

オオーw(*゚o゚*)w

こんな本もあったのですねぇ~
宮沢賢治と言えば銀河鉄道の夜と鉱石о(ж>▽<)y ☆
しかも、このテーマがいい!((o(^∇^)o))わくわくします。
しかし、鯨さんの作品(^◇^;)
mokkoも1冊しか読んでないんですけどね
しかもテーマ読み「月」で初めて読みました( *´艸)( 艸`*)
バイオレンスの中のメルヘンかぁ~
でも宮沢賢治が好きな人なら楽しめるかも
面白そうですぅ~(o^o^o)

Edit | Reply | 
Thu
2012.06.21
23:48

翠香

URL

mirokuさんへ

名前・・・確かに(笑)
「鯨さん」と呼ぶのもちょっと変な感じです。

どうも色々な要素をてんこ盛りしちゃっている感じですね。
色々な味を楽しめる丼ならいいのだけど、味同士がケンカしちゃっているというか・・・。

後味悪かったですか?・・・まあ友情にはヒビが入ったかな(^^;)
でも家族の愛情は深まったので、めでたしめでたし(笑)

Edit | Reply | 
Fri
2012.06.22
00:00

翠香

URL

mokkoさんへ

う~ん、鉱石はあんまり関係ないかも。
確かに宮沢賢治が好きな人なら楽しめるかもしれませんが・・・。
私は逆に宮沢賢治って、こんな奴だったのかー!と思いましたが(^^;)
夢を壊されたくなかったら、知らない方がいいかも。
あと、性的暴力シーンが多いのがちょっと・・・ね。
その最中に妖精(実は潜在意識)の又三郎くんが空中に浮かんでいたりするんですよ。

鯨作品、文学・歴史がらみで面白そうな本が多いのですよね。
実は結構積読していたりして(^^;)
テーマ読みが終わったら、少しずつ読んでみようかな。

Edit | Reply | 

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

WHAT'S NEW?