Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【水の迷宮】 石持浅海

 30, 2012

◆◇◆地球を造ってみないか?◆◇◆

石持浅海(シリーズ外)
長編
カッパ・ノベルス 2004.10
  光文社文庫 2007.5


■あらすじ

 三年前に不慮の死を遂げた水族館職員の命日に、事件は起きた。羽田国際環境水族館に届いた一通のメールは、展示生物への攻撃を予告するものだった。姿なき犯人の狙いは何か。そして、自衛策を講じる職員たちの努力を嘲笑うかのように、殺人事件が起きた。すべての謎が解き明かされたとき、胸を打つ感動があなたを襲う。ミステリー界の旗手が放つ奇跡の傑作!

(光文社文庫より)

■感想
テーマ読み【迷宮】第4弾は、【水の迷宮】です。
「鏡」からの連想で「水」です(笑)

あらすじを読んで、以前読んだ【月の扉】と同じ匂いを感じたのですが、読んでみるとやっぱり似ていますね。
彼らには高邁な理想があり、それが目の前に障害が立ち塞がり、実現が不可能になってしまう。
ならば実力行使で強引に障害を取っ払って、皆で力を合わせて実現させよう!(お目々キラキラ
──そんなところがそっくりです。
【月の扉】の方は、実現の為、ハイジャックを引き起こすというぶっ飛び設定ではありますけど(^^;)
興味のある方は、リンクからレビューをご覧ください。

光文社のサイトに石持浅海さんのインタビューがあります。一部を引用しますと、

誰も悪くないのに起きてしまった事件に対して、知恵と工夫の限りを尽くしてなんとか解決の道を探していく。そして、最後はハッピーエンドで終わる。

──まさに本作もそのままの筋書きになっています。
しかし、殺人事件が起きているのに、夢の水族館実現の為には多少の犠牲はやむを得ない
とでも言うのだろうか?
死んでしまった人には申し訳ないけど、決してその死を無駄にはせず、遺志を引き継ぎますから~ってか。
甘い。甘すぎる。
どんな大義名分があろうとも、正当防衛だろうと、罪は罪として受け止め、償うべきです。
それを乗り越えた上でのハッピーエンドならば、素直に感動できるのに

この物語の主人公は古賀という飼育係なのですが、何だかぼーっとしていて、頼りないのですよね(^^;)
海獣担当の女性職員同士の会話で、これから外へ行く子に対し、
「すごく暑いから注意した方がいいよ」と言うのに、
「注意したら涼しくなるってものでもないだろう」という間の抜けたツッコミ・・・。
古賀の友人の深澤が切れ味鋭い探偵役なので、対比としておバカなワトソン役を配置したのは分かるのだけど、
あんまりおバカすぎて何度ツッコミを入れたことか・・・。これだから簡単に感傷に流されちゃうんだよね(^^;)

ミステリとしての出来もあまり良いとはいえないですね。
脅迫犯を特定するのに、論理的に絞り込んでいくのだけど、もうミスリードしていることがバレバレです。
始めから怪しい人は直感で分かります。
しかもやっていることがどうも中途半端。結局何がしたかったのか?
脅迫犯といえども悪人にしきれない石持さんの優しさなのか?
その優しさが甘さになっているのですよね。悪意のない罪を隠すことを優しさと取り違えている甘さなんです。

なんだか酷評になってしまったなぁ(^^;)
今回のテーマ読み、なかなか当たりが出ない・・・。次回に期待です。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267267
◆冷や汗度404404
◆満足度★★

■特におすすめ!

  • 水族館が好きな方
  • 大人のファンタジーが好きな方

◆テーマ読み迷宮◆
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Tag:石持浅海

COMMENT 4

Mon
2012.07.02
21:26

mokko

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これは・・・

最初チェックしたんですけど、早い段階で
mirokuさんと被っていたので外したんですよ
石持作品は1作しか読んだことがないんですけど
それも水に関係した話で、これもか?って思ってたんですよね
なんか外して正解だったような(^◇^;)

Edit | Reply | 
Tue
2012.07.03
00:18

翠香

URL

mokkoさんへ

被っているのはあまり気にしないことにしました。
今読んでいるのも、その次の予定もmirokuさんと被ってます。(確信犯です^^;)

う~ん、何というかこの方の倫理観がどうも私には納得できないのです。
でも好意的な評価をしている人も多いので、合う合わないは人それぞれだと思いますよ。

Edit | Reply | 
Thu
2012.07.05
22:15

miroku

URL

これ・・・

倫理観をも越えるものがあればまだしもねぇ・・・。
このラストはいかがなものかと思いますね。
最後で、浅くなってしまってはね・・・。
なんか、残念な作品ですね。
切なくて綺麗な作品になりうるものだっただけに惜しいです。

Edit | Reply | 
Thu
2012.07.05
23:57

翠香

URL

mirokuさんへ

殺人をなかったことに・・・というのは、
いかなる理由があろうとも許されるべきではないと思います。
ちゃんと罪を償って、遺族も納得した上でのこのラストなら感動するのに。
水族館は好きな場所だし、片山の夢が実現することは素敵だと思えるだけに、
皆でほっかむりというのは・・・がっかりしました。

Edit | Reply | 

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