Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【迷宮遡行】 貫井徳郎

 26, 2012

◆◇◆その男、凶暴につき◆◇◆

貫井徳郎(シリーズ外)
長編
東京創元社(【烙印】) 1994.10
  新潮文庫 2000.11


■あらすじ

平凡な日常が裂ける──。突然、愛する妻・絢子が失踪した。置き手紙ひとつを残して。理由が分からない。失業中の迫水は、途切れそうな手がかりをたどり、妻の行方を追う。彼の前に立ちふさがる、暴力団組員。妻はどうして、姿を消したのか? いや、そもそも妻は何者だったのか?絡み合う糸が、闇の迷宮をかたちづくる。『烙印』をもとに書き下ろされた、本格ミステリーの最新傑作。

(新潮文庫より)

■感想
テーマ読み【迷宮】、第8弾は【迷宮遡行】です。

本作は、1994年に発表した第二長編『烙印』を全面改稿したものだそうです。
『烙印』は読んでいないので、その違いはよく分からないのですが、ハードボイルド臭を払拭したかったのだとか。
う~ん、ハードボイルド臭、あまり消えてないと思うのですが・・・。
主人公の迫水は、会社にリストラされ、妻にも逃げられるという、世にも情けない男。
こういう主人公に据えたあたり、コミカル路線に変更しようとする意志は見られます。
しかし、妻の行方を探すたびにちらつく暴力団の影。
暴力団抗争や台湾マフィアまで絡んでくる展開になり、
この手の話が苦手な私は、何度も投げ出しそうになってしまった。
テーマ読みだったから我慢して最後まで読んだけど(^^;)

しかも、迫水の兄はマル暴担当の刑事。んなご都合主義な・・・と思いきや、
賢兄愚弟を地で行く家庭に育ったため、兄を苦手としており、なかなか助けを求めようとしない。
このあたりがなんとも歯がゆい。
まあこの兄がバックにいるため、ヤクザたちはなかなか迫水に手出しが出来なかったという
事情もあるわけなんですが・・・やっぱりご都合主義か?

迫水の妻の素性については、どうにも腑に落ちないですね。
兄からそれとなく知らされても、迫水は信じようとしなかったのですが、
ある人物から妻の素性を知らされ、それが兄の話と一致していたため、あっさり信じてしまう。
でも結局、その話は嘘だと後で分かるのですが、ならば兄もガセネタを掴まされていたってことなのかな?
それともわざと嘘の情報を弟に知らせた?
ある人物と兄との接点はまるでないので、両者の話がたまたま一致していたとは思えないのだけど・・・。

迫水は、自分の事情に他人を巻き込み、大事な人を亡くしてしまう。
迫水のような小市民でも怒りが頂点に達してしまうと、こうも変わってしまうのか。
以後、迫水は凶行に走るようになり、コミカル路線は完全に捨て去られてしまう。
作風が全く違うので単純な比較は出来ないけれど、
奥田英朗さんの【真夜中のマーチ】でもヤクザや中国マフィアが登場するも、
コミカル路線は維持していたのと比べると、
突然の路線変更(そもそもそれほどコミカルでもなかったのだけど・・・)はちょっとがっかり。
こうなると破滅は目に見えてますよね。ラストも救いがなく、ただただ疲れる読書になってしまいました。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267
◆冷や汗度404404404404
◆満足度★★

■特におすすめ!

  • ハードボイルドが好きな方
  • バイオレンスに抵抗がない方

◆テーマ読み迷宮◆
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Tag:貫井徳郎

COMMENT 2

Thu
2012.08.02
15:27

mokko

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やはり・・・

最初にチェックしたんですが、ハードボイルドという言葉で
引いてしまいました(^◇^;)
どうやら外して正解だったようです。
疲れる読書って、つらいんですよねぇ~(/□≦、)

Edit | Reply | 
Thu
2012.08.02
23:52

翠香

URL

mokkoさんへ

実はこれ、最初に吟味して外した作品だったのです。
でも、赤川作品でシリーズ2作目を選ぶというポカをしたために
1作足りなくなってしまい、急きょ加えた訳で・・・。

貫井作品は、『被害者は誰?』では容姿端麗だけど性格が悪いという
キャラが出てくるので、面白いですよ~。
続編出ないかな~。

Edit | Reply | 

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