【紅藍(くれない)の女(ひと)」殺人事件】 内田康夫

◆◇◆後ろの正面だあれ?◆◇◆

浅見光彦シリーズ41
長編
TOKUMA NOVELS 1990.10
徳間文庫 1994.6
  徳間書店 1998.8
  講談社文庫 2000.6
55TVドラマ化作品!(2007.3.30放送 主演:中村俊介)


■あらすじ

 将来を大いに嘱望される新進ピアニスト三郷夕鶴は、父伴太郎の誕生会の日、見知らぬ男から父への伝言を手渡された。紙片には「はないちもんめ」とだけ書かれていたが、それを見た伴太郎の表情はかげった・・・・・・。伴太郎の古い友人で古美術商の甲戸天洞の娘麻矢は夕鶴の親友。「はないちもんめ」の意味を探るため、夕鶴はルポライターの浅見光彦に会うが、同席するはずだった麻矢から、天洞の死の報せが・・・・・・!?
(徳間文庫より)

■テーマ
 童歌『花いちもんめ』
 紅花

■舞台
 山形県西村山郡河北町
 神奈川県横浜市

■ヒロイン
 三郷夕鶴(ピアニスト・23歳)
 甲戸麻矢(夕鶴の幼なじみ・24歳)

■感想
物語は、三郷夕鶴が、見知らぬ男から父へ渡すようにと紙片をもらったことから始まります。
紙片には、「はないちもんめ」の文字が──。
「花いちもんめ」といえば、子供の頃、遊んだ方も多いと思いますが、
もともとは京都を中心に発祥して、その地方ごとにアレンジされながら全国に普及していったようです。
翠香が遊んだ「花いちもんめ」は以下のようなものです。
(ジャンケンで勝ったチームをA、負けたチームをBとします)
A「勝ってうれしい はないちもんめ」
B「負けてくやしい はないちもんめ」
A「となりのおばさん ちょっと来ておくれ」
B「鬼がこわくて行かれない」
A「お釜かぶって ちょっと来ておくれ」
B「お釜底抜け行かれない」
A「おふとんかぶって ちょっと来ておくれ」
B「おふとんビリビリ行かれない」
A「あの子がほしい」
B「あの子じゃ分からん」
A「この子がほしい」
B「この子じゃ分からん」
A「相談しよう」
B「そうしよう」
(両チーム、相手チームの誰をとるか決める)
(A、Bとも)「決ーまった!」
A「○○ちゃんがほしい」
B「××ちゃんがほしい」
(指名された子どうしがじゃんけん)
(負けた子は相手チームに取られる)→始めに戻る

ゲームのルールは全国的に変わらないと思うのですが、歌詞は地方地方で極端に違うそうです。
子供の頃は何の疑いもなく遊んでいたのですが、途中、変な歌詞が入ってますね。
となりのおばさんって誰??お釜底抜け、おふとんビリビリってどんな貧乏なんじゃ!(笑)
その後、唐突に「あの子がほしい」に繋がっているし・・・。
どうやら「となりのおばさん」の件(くだり)は、後から付け加えられた歌詞のようですね。

さて、それでは「花いちもんめ」の「花」は何の花でしょう?
古代では「花」といえば「梅」、平安以降は「桜」を指すのですが、この場合は、「紅花」のことだそうです。
紅花といえば、油の原料ぐらいしか知識がなかったのですが、
もともとは染料や口紅327の原料として使われていたのだそうです。
なんだかうんちく話が長くなりましたねf(^^;)

この作品の章のタイトルはすべて童歌の歌詞の一部が使われています。
それぞれがその章の内容と合っていて、なかなかシャレてますね。
この記事のタイトル(見出し)もちょっと真似してみました。後ろの正面=真犯人は誰?という感じです。

この作品は、無実の罪で35年間服役していた男が出所し、ウソの証言をした人々に復讐する、
というストーリーなのですが、それにしては、犯人は、重大な証言をした使用人の男は殺さないし、
逆に復讐とは関係のない、獄中仲間を殺すという、不可解な行動をとっています。
そして浅見は、ある重大な事実を知った瞬間、全ての謎を解いてしまいます。相変わらず神がかり的(^^;)
でも、この作品は読者の側も色々と推理を働かせながら最後まで楽しめると思います。

ところで、この作品は先日ドラマ化55されましたが、
『紅藍の君』254が江波杏子さんだったのは、ちょっとイメージ違ったなぁ(失礼!)
どうもオール電化のCMのイメージが強いせいかも・・・。どちらかといえば雪江さん役のほうが合っているかな?

■評価(5個が最高)

  ◆トリック度 267267267
◆冷や汗度 404404
◆満足度 ★★★★★

■特におすすめ!

  • 民俗学に興味のある方
  • 音楽が好きな方
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Category: 浅見光彦
Published on: Sun,  06 2007 00:02
  • Comment: 3
  • Trackback: 0

浅見光彦 内田康夫

3 Comments

とんとんみ@本の虫  

はないちもんめ♪

こんばんはです。

僕の住んでいる地域では、勝って~♪負けて~♪から、すぐに『あの子が~♪』に変わっていました。
僕は夕鶴の年齢より若いはずなので、流行り廃りも地域差があるのかもしれませんねー。

内田康夫さんの推理小説の顛末では結構好きです、この作品。思ったほどははないちもんめの歌が主要にならないのが切なかったですけども…。

2007/08/28 (Tue) 00:29 | EDIT | REPLY |   

翠香  

あの子がほしい!

とんとんみさん、こんばんは~。
「となりのおばさん~♪」の歌詞は、どうも関東地方で広がっているみたいですね。とんとんみさんは関西の方ですか?
しかし、子供の遊びにしては、「あの子がほしい」ってちょっとすごいよねぇ(笑)

2007/08/29 (Wed) 00:01 | EDIT | REPLY |   

とんとんみ@本の虫  

NoTitle

あの子が欲しい♪子供の頃なら平気で言えたのになぁ…と、思い悩んだ人も多いはず(*^^*)

僕は岡山県の出なんですよ。
言葉にしても文化にしても、関西と中国とが混ざりあっている地域なので、どちらの特徴なのかは判りませんが、その歌詞はこの本を読むまで知らなかったです…。
面白いですけどね、頑として行こうとしないおばちゃん♪

2007/08/29 (Wed) 21:48 | EDIT | REPLY |   

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