Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【邪馬台国はどこですか?】 鯨統一郎

 05, 2012

◆◇◆この物語はフィクションですか?◆◇◆

鯨統一郎
短編集
創元推理文庫 1998.5


■あらすじ

カウンター席だけの地下一階の店に客が三人。三谷敦彦教授と助手の早乙女静香、そして在野の研究家らしき宮田六郎。初顔合わせとなったその日、「ブッダは悟りなんか開いてない」という宮田の爆弾発言を契機に歴史談義が始まった・・・・・・。回を追うごとに話は熱を帯び、バーテンダーの松永も教科書を読んで予備知識を蓄えつつ、彼らの論戦を心待ちにする。ブッダの悟り、邪馬台国の比定地、聖徳太子の正体、光秀謀叛の動機、明治維新の黒幕、イエスの復活ーを俎上に載せ、歴史の常識にコペルニクス的転回を迫る、大胆不敵かつ奇想天外なデビュー作品集。
(創元推理文庫より)

■感想
少し前に読んだ内田康夫先生の【箸墓幻想】の中で邪馬台国論争が話題になっていたので、
本作のタイトルに興味を持ちました。本作は鯨統一郎氏のデビュー作です。

スリーバレーというカウンター席だけの地下一階の店には、松永というバーテンダーがいる。
そこへ私立大学文学部教授の三谷敦彦、同じ大学の文学部助手で美人で気の強い早乙女静香、
在野の歴史研究家(?)の宮田六郎が顔を揃えると、歴史談義が始まるのだ。

・・・といってもバトルを繰り広げるのは主に静香と宮田なんだけど(^^;)
宮田がとんでもない奇説を持ち出し、静香がキツ~い罵倒の言葉を浴びせつつ反論するも、
宮田がアクロバティックな論理を展開して封じ込めてしまうのがお決まりのパターン。
始めはそんなばかな・・・と思える説でも傍証として資料を列挙され、
説明を加えられる(かなりこじつけも多いけど^^;)とまんざらありうるかも・・・と思えてくるから不思議です。
バーテンダーの松永も始めは二人のバトルにおろおろしていたのに、
次第に議論をけしかけたりして楽しんでますね(笑)。


【悟りを開いたのはいつですか?】
ブッダは悟りなど開いていなかった??

ブッダが愛すべきオヤジに見えてきます(^^;)
ブッダといえば・・・と思っていたことがそのままオチだったので驚いた(笑)

邪馬台国はどこですか?】
邪馬台国は九州でも畿内でもない。東北・岩手だ!!

三谷と静香は九州説を採っているようですが、現在では画文帯神獣鏡の発見があり、畿内説が有力らしいです。
実は東北説も新説としては有名らしく、宮田の説明も意外に的を射ているのかもしれませんね。

【聖徳太子はだれですか?】
聖徳太子は想像上の人物!?

これはまた突飛な(^^;)
肖像画があるからといって現存したことの証明にはならないことは分かるけど、お札の人ですからねぇ。
確かに小野妹子の失態は作為的なものを感じますが。ここでのオチはイマイチ。

【謀反の動機はなんですか?】
「敵は本能寺にあり」・・・明智光秀が謀反を起こした本当の理由。

色々奇行が目立った信長だけど、さすがにこれはないでしょう。
実は本能寺で自害などせずにどこかへ逃げのびたという説もあるそうだし。こりゃキムタクもびっくりだ(笑)

【維新が起きたのはなぜですか?】
明治維新はある一人の人物によって成し遂げられた!

この人物が新しい時代の幕開けに大きな役割を果たしたというのは納得できますが、その方法はちょっと・・・。
あの龍馬が操られていたなんて思いたくない~(『龍馬伝』を観ていたので、かなり感情移入しております^^;)

【奇跡はどのようになされたのですか?】
イエスの復活は真実だった!

『キリスト』が『救世主』という意味の普通名詞だとは知らなかった。
イエスの復活にはあるトリックが仕組まれていたというのですが、この説はどうですかねぇ。
まあ諸説ありますからね。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267
◆冷や汗度404
◆満足度★★★★

■特におすすめ!

  • 歴史の謎に興味がある方
  • 学生の方
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Tag:鯨統一郎 邪馬台国

COMMENT 4

Sat
2012.10.06
21:41

miroku

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以前に読みました

面白いですけどね。
新説とまではゆかない。
このあたりの軽さが鯨さんの魅力でもあり、もの足りなさでもあると思います。
しかし、その幅広さはやはり瞠目に値するのかもしれないですね。
たまに気分転換に読んでます。

Edit | Reply | 
Sun
2012.10.07
00:09

翠香

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mirokuさんへ

やはり読まれてましたか!
私はこういう謎学みたいなのも結構好きなんです。
まあ新説を真面目に唱えるのなら、論文にするだろうし、
小説にしているということは、創作部分もあるわけで、鵜呑みにするのは危険ですね。
普段私達は何でもネットで調べて分かった気になっているので、
とことん突き詰めて考えるという姿勢は敬意を表しますね。

Edit | Reply | 
Mon
2012.10.15
16:34

akane

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読み返したくなりました★

私も以前この作品読みましたが・・・
私自身が歴史に疎いので、フィクション?としてゲラゲラ笑いつつ楽しく読めましたi-80
確か続編もあったよーな・・・i-239

鯨先生の作品は・・・ほとんど読んでいないのですが、この作品がキョーレツだったから色々読みたいと思っていたのになあ~i-194
と、懐かしい気持ちになりましたi-237(笑)
バーで討論っていう設定も、キャラクタも楽しかったですし、読み返してみたいですi-265

Edit | Reply | 
Mon
2012.10.15
23:40

翠香

URL

akaneさんへ

続編、ありますよ。確か世界の七不思議だったかな?
そんなばかなという珍説がほとんどだけど、表題作は結構説得力ありましたねぇ。

鯨作品を読むのはこれが3作目だったのですが、一番まともだったかも(笑)
ドラマ化された六波羅一輝シリーズも読みたいな~。
この作品のメンバーとは違うけど、バーで討論する別作品を読む予定です♪

Edit | Reply | 

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