Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【午前零時のサンドリヨン】 相沢沙呼

 18, 2012

◆◇◆魔法使いになりたい◆◇◆

酉乃初シリーズ1
連作短編集
東京創元社 2009.10
創元推理文庫 2012.10
20第19回鮎川哲也賞受賞作


■あらすじ

ポチこと須川くんが一目惚れしたクラスメイトの女の子、不思議な雰囲気を纏う酉乃初は、凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』で腕を磨く彼女は、学内の謎を抜群のマジックテクニックを駆使して解いていく。それなのに、人間関係には臆病で心を閉ざしがち。須川くんは酉乃との距離を縮められるのか──。"ボーイ・ミーツ・ガール"ミステリの決定版。第19回鮎川哲也賞受賞作。
(創元推理文庫より)

 

■感想

長らくお待たせいたしました。今回からテーマ読みを開始いたします。
トップバッターは【午前零時のサンドリヨン】、ナンバーは「0」です。
始めは違う作品をチョイスしていたのですが、急遽、本作にチェンジしました(笑)
単行本が出た時から気になっていた作品で、文庫化したと聞き、早速購入~。
テーマ読みの前に読んじゃおうかな~と思ったら、
ちょうどタイトルに「0」があるじゃないですか!(ラッキー)
加藤木麻莉さんの表紙イラストも素敵ですよね~(*^^*)
ちなみに「サンドリヨン」は、フランス語でシンデレラのことです。

 

 等身大の青春ミステリ

本作は、高校一年の須川君が主人公。物語も須川君の視点で進んでいきます。

ある日、須川君は姉に連れて行ってもらったレストラン・バー『サンドリヨン』で、
華麗なマジックを披露する女の子に出会う。
なんとその人は同じクラスの酉乃初だったのだ!
マジックをしているときの彼女はにこやかに微笑み、キラキラしている。それにとっても饒舌だ。
それなのに、学校での彼女は口数も少なく、無愛想。
なんとか酉乃と仲良くなりたい須川君の悪戦苦闘が始まる──。

というわけで分類としては青春ミステリですね。
バイタリティあふれる姉がいる男子高校生というのは、古典部シリーズの奉太郎と一緒だし、
ギャップのあるヒロインというのは、ビブリア古書堂の栞子さんを彷彿とさせます。
まあこういったラノベ系のお話は、設定が似たり寄ったりになってしまいますよね(^^;)
でも本作の登場人物たちは、実に等身大の高校生だなと思いました。
皆、いじめや将来のことや、友達とのことに悩み、もがき苦しんでいる。
甘酸っぱい記憶とともに胸に迫ってきました。

 

 魅力的なヒロイン

特に酉乃初のキャラがいいですね。
私も人付き合いは苦手な性質なので、彼女の苦しみはよく分かる。
せっかくマジックという自己表現できる素敵な武器を持っているのに、そんなに悩まないでと言ってあげたい。
もし『サンドリヨン』が実際にあったら、ぜひ彼女のマジックを見に行きたいですね(^^)

本作は4編からなる連作短編集です。
最後の短編で全ての謎を収束させるという手法は、
加納朋子さんの【ななつのこ】の影響を強く受けているらしい。
鮎川哲也賞の遺伝子(加納さんは第3回の受賞者)が受け継がれているのですね。
章立ての区切り番号もトランプ仕様になっているのがおしゃれです(^^)

 

◆空回りトライアンフ
酉乃と二人で図書室へ行った須川君は、1冊を除いて全てが逆向きに入れられている書架を発見する。
図書委員に話を聞いてみると、ただのいたずらだろうと言うのだが・・・。

マジックでも選んだカードが1枚だけ表向きになって現れるというのがありますよね。
まさにそのマジックから発想を得たのだそうです。
しかし、その真相は意外にも苦いものでした。

 

◆胸中カード・スタッブ
柏先輩のお誕生日祝いに学校でマジックを披露した酉乃。
マジックで使ったナイフを学校に忘れた為、取りに戻ると、
机にナイフで三つの「f」の文字が刻まれ、ナイフが突き刺さっていた・・・。

「怪盗スリーエフ事件」って、コンビニみたいだな~と思ったら、
案の定「コンビニ?」というつっこみが(^^;)
これは伏線がちゃんとあって、なかなかの出来でした。
しかし須川君、せっかく酉乃さんにマジックを手取り足取り(足は取らないが・・・)教えてもらえたのに、
女の子に「手が大きい?」なんて言っちゃだめだよー!

 

◆あてにならないプレディクタ
試験前から落し物コーナーにあった手帳には、英語の成績上位者の名前と点数が書かれていた。
手帳の持ち主の飯倉さんは占いが得意。彼女には予知能力があるのか?
また校内では幽霊騒動が持ち上がっていた。

手帳というのは、プライベートな情報があるだけに落とすとやっかいですよね。
それにしても八反丸さん、高1にして小悪魔だなぁ(^^;)
須川君はすっかり手玉に取られちゃってるし・・・。
須川君、同い年なのに、何で八反丸さんには敬語なの?もはや舎弟ですね(^^;)

 

◆あなたのためのワイルド・カード
校内では幽霊騒動がさらに加熱していた。
須川君は、八反丸さんの指示で幽霊調査をすることになる。
そして、クリスマスの日、学校の掲示板に遺書と思われる書き込みが!

これはなかなかハードな内容でしたね。
酉乃さんの推理はちょっと飛躍しすぎている気もするけれど・・・。
普段は頼りなくて、デリカシーの欠ける須川君ですが、最後にはいいところを見せられましたね(^^)
でもやっぱり不器用なんだよね~って、ひょっとして計算!?

 

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

  ◆トリック度 267267267
◆冷や汗度 404404404
◆満足度 ★★★★

 

■こんな方におすすめ!

  • 青春ミステリが好きな方
  • 学生の方
  • マジックが好きな方

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Tag:相沢沙呼 酉乃初 マジック 鮎川哲也賞

COMMENT 2

Sun
2012.11.18
22:37

mokko

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おっと危ない!

実はこれチェックしてたんですよぉ~
面白そうな内容だったので・・・
直前に、もう1つの候補作が入荷になったので
そっちを購入しました。
セーフでした(^◇^;)

「ななつのこ」の影響を強く受けている?
この「ななつのこ」もズーっとチェックしたままで
未だに読んでないんですよぉ~
これは、ななつ・・・を読んでから本作を読むと
その意味がわかるんでしょうね
面白そうですо(ж>▽<)y ☆

Edit | Reply | 
Sun
2012.11.18
23:31

翠香

URL

mokkoさんへ

始めは『0の殺人』にする予定だったのですよ。
mokkoさんは既に読んでいるので、被る心配がないかな、と。
テーマ読み、毎回隠し玉的な作品を用意しているのですが、
ネットでいともあっさり見つけられちゃうのは、何だかな~(^^;)
まあ被らなくてよかったです。

影響というのは、構成上の話です。
短編毎に小さな謎があるのですが、それとは別に物語全体に流れる謎があって、
それが最後に収束しています。
『ななつのこ』は、作中作とのリンクも上手く出来ていて、
超おススメです(^^)

Edit | Reply | 

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