Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【六番目の小夜子】 恩田陸

 10, 2012

◆◇◆学校の怪談!?◆◇◆

恩田陸(シリーズ外)
長編
新潮社 1998.8
  新潮文庫 2001.2


■あらすじ

津村沙世子──とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。

(新潮文庫より)

■感想
テーマ読み「ナンバー」、今回は【六番目の小夜子】、ナンバーは「6」です。
テーマ読みに選んだものの、本作はミステリじゃなかった(^^;)
ホラーでしたねぇ。そんなに怖くはなかったけど。
本作は恩田陸さんのデビュー作だそうです。
デビュー作でこれだけのものが書けるとは上手いな~と感心しきりだったのですが、
どうやらいわくつきの作品だそうで・・・。
本作は第三回ファンタジーノベル大賞の候補に選ばれたが残念ながら落選、
それでも文庫として世に出たものの、絶版の憂き目にあったらしい。
その後、根強いファンの要望により、大幅加筆して単行本として刊行される運びになったそうです。
その間、実に6年の年月が流れているので、もはや新人の手によるものではなくなっていたのですね。

とある地方の高校には、『サヨコ』と呼ばれるしきたりがあった。
『サヨコ』は卒業生から在校生に引き継がれる。
『サヨコ』に指名された者は、自分が『サヨコ』であることを誰にも知られずに学園祭に向けて「あること」を行う。
そして今年が六番目の小夜子の年だった──。

『サヨコ』が成功した年の大学進学率が良かっただの、
『サヨコ』を拒否した女生徒は原因不明の高熱を出してノイローゼになっただのといったエピソードがあり、
まさに「学校の怪談」ですね(^^;)
学校というのは、なんて変なところなのだろう。
──本文にもある言葉ですが、本当に変な伝統が息づいていたりしますよね。
こんな怪談めいた話ではないですが、私の高校にもやっぱり「伝統」があって、
何度も変えようと思っても、「伝統だから」の一言で片付けられてしまう。伝統恐るべし(^^;)
これがノイローゼになっただの、死人が出ただのという話まで付いていたら、
伝統を破る勇気のあるものはまずいないでしょうね。

本作ではそういったホラー要素を絡めながらの青春群像劇に仕上がっています。
遠い昔に思いを馳せながら(笑)、ああ受験生って大変だよなぁとしみじみ思いました。
でもこの物語に登場する高校生たちは、どこか大人びていますね。
沙世子が特に。高校3年生にして魔性の女ですよ。
私は関根秋(しゅう)という少年が良かったな~と思っているのですが、
つい秋を「あき」と読んでしまって困った。秋というとどうしても薬屋を思い出してしまう(^^;)

すっきりしない終わり方なのは、恩田さんならでは。
ミステリだと消化不良になってしまいますが、
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」では興ざめなので、これでいいのかもしれませんね。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267
◆冷や汗度404404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • 怪談が好きな方
  • 学園ものが好きな方

◆テーマ読み「ナンバー」◆
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Tag:恩田陸

COMMENT 4

Tue
2012.12.11
22:12

miroku

URL

こんばんは

文庫ということは最終版ですね。
これ、版によって違う結末のものがあるらしいですね。
私の読んだのも文庫だから、結末は同じだと思います。
恩田さんの作品、総じて、結末の曖昧なものの方が面白いような気がします。
ああ・・・そういえばカーの『火刑法廷』もそんな感じの結末でしたよ。
物語が終わっても、想像力を刺激し続ける。
そういう作品は印象強いですね。
『6番目の・・・』は、私も好きな作品です。

Edit | Reply | 
Tue
2012.12.11
22:48

翠香

URL

mirokuさんへ

えっ!版によって結末が違うのですか??
絶版になった初期のものはどうなっていたのだろう。気になります。
あ~何となくmirokuさんの好きそうな作品だな~と思います(笑)
私は結末の曖昧なのが恩田作品の苦手なところでして(^^;)
『木曜組曲』と『ドミノ』は好きな作品です(^^)

Edit | Reply | 
Thu
2012.12.13
05:34

mokko

URL

w(゚o゚)w オオー!

これは結構好きです!
しかし、版によって結末が違うのは知らなかったです!
他の作品で本と映画の結末が違うのがあるのは知ってたけど・・・
これも続編というか番外編があって、更に関根秋君♪
mokkoも関根秋君が好きでしたぁ~
この関根家が他の作品で登場してたりします。
兄弟姉妹が四季の名前がついてるからわかりやすいです(^◇^;)

Edit | Reply | 
Fri
2012.12.14
00:00

翠香

URL

mokkoさんへ

原作と映像化の結末が違うというのはよくありますけど、
版によって結末が違うというのは、ちょっと驚きですよね。
秋くんの兄弟が他の作品に登場しているみたいですね。
でも秋くんは登場しないのかぁ。ちょっと残念。

Edit | Reply | 

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