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【サイモン・アークの事件簿IV】 エドワード・D・ホック

 07, 2013

◆◇◆二千年の長きに渡る果てなき旅◆◇◆

サイモン・アークシリーズ4
短編集
創元推理文庫 2012.12


■あらすじ

まだ見ぬ人知を超えた存在と巡り合うため、二千年の歳月を生きる謎の男サイモン・アークの旅は続く。鐘が鳴り響く修道院で起きた中国人修道士殺害事件、北米の湖に出現し四人を殺めた大海蛇の怪異、かの切り裂きジャックが遺した秘宝のありかとその正体・・・・・・。この世のむこう側を垣間見させる八つの妖しい事件から、鋭敏な推理力で真実を導き出すオカルト探偵の活躍、第四短編集。

(創元推理文庫より)

■感想
サイモン・アークの事件簿』の第四巻です。
第三巻までは、著者のホックによる自薦作品集だったのですが、
本書は訳者である木村二郎氏が厳選した8編からなる作品集です。
四巻いずれも年代に偏りが出ないように選ばれていますので、
何巻から読んでも、どの短編から読んでも大丈夫です。

本書には以下の8編の短編が収められています。 *( )は発表年です。

「悪魔の蹄跡」(1956)
「黄泉の国の判事たち」(1957)
「悪魔がやってくる時間」(1957)
「ドラゴンに殺された女」(1958)
「切り裂きジャックの秘宝」(1978)
「一角獣の娘」(1982)
「ロビン・フットの幽霊」(1995)
「死なないボクサー」(2001)

私は前作の第三巻も献本で読ませていただいたのですが、
相変わらず探偵役のサイモン・アークは謎多き人物ですね。
サイモンは自分は二千歳であるとうそぶいているのですが、当然誰も信用しない(笑)
ところが、物語の語り手である「わたし」が若い記者だった頃にサイモンと出会ってから四十年の間、
彼の顔はあまり変わっていないという。
普通の人より歳をとる速度が極端に遅いのでしょうかね?
それとも悪魔を探し求めているという彼自身が実は悪魔とか?(^^;)
探偵役の設定がかなり突飛で、起きる事件も一見、オカルト的ではありますが、
全ての事件に現実的な解釈がなされているミステリです。

語り手の「わたし」は、ネプチューン・ブックスの書籍編集者(のちにコンサルタント)で、
シェリーという妻と二人暮らし。
そこそこ成功した人物だと思うのですが、今回は「わたし」にとってショッキングな事件が数多く発生します。
まず「黄泉の国の判事たち」では、父と妹が自動車事故によって死亡。
次に「ドラゴンに殺された女」では、かつての恋人がボートの炎上事故により死亡。
そして「一角獣の娘」では、自分の目の前で原稿を持ち込んだ男が飛び降り自殺。
「一角獣の娘」に関しては、その後も同僚が殺されるなどショッキングな事件が続きます。

今回の8編の中で特に良かったと思ったのは、「黄泉の国の判事たち」ですね。
父と妹との確執、妹を信じたい「わたし」の気持ち、誰もが語りたがらない第三の男の存在。
読ませるお話であると同時にミステリとしても上手く読者をミスリードしているし、伏線の張り方も上手い。
また、「わたし」の心の闇が垣間見えた作品でもあります。

それから「切り裂きジャックの秘宝」では、切り裂きジャックに関する独自の解釈が斬新で面白かったです。
消えた純金製のライオン像の謎もインディ・ジョーンズみたいで楽しめました(^^)
うん、この短編で映画1本作れそうですね(笑)

とぼけた味のあるサイモン・アークと、サイモンの誘いには断れずにどこへでもついていってしまう「わたし」は、
さながらホームズとワトソンのようです。
第五巻が刊行されることが決まったそうなので、
今度は二人のどんな冒険が待ち受けているのか、楽しみですね(^^)

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267267267
◆冷や汗度404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

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Tag:サイモン・アーク エドワード・D・ホック

COMMENT 2

Sun
2013.03.03
08:49

mokko

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面白そう

オカルト的っていうのが好みですし(^◇^;)
やはりこの探偵役が一番謎で面白そうです
これは短編集だけど、最初から順番に読んだ方がいいのですよね?
かなり興味あります(o^o^o)

Edit | Reply | 
Sun
2013.03.03
23:31

翠香

URL

mokkoさんへ

このシリーズは4巻まで出てますけど、
どの短編集も年代に偏りが出ないように選ばれているので、
どこから読んでも大丈夫ですよ。
私も3巻から読み始めたけれど、特に問題なかったです。
事件は一見オカルト的だけど、現実的に解決するのですけどね(^^;)
サイモン・アークのとぼけた味がなんともいえず面白いです(^^)

Edit | Reply | 

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