Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【ショコラティエの勲章】 上田早夕里

 11, 2013

◆◇◆お菓子は甘く、人生はほろ苦く◆◇◆

パティシエシリーズ2
短編集
東京創元社 2008.3
  ハルキ文庫 2011.3


■あらすじ

絢部あかりが売り子をしている老舗の和菓子店<福桜堂>神戸支店。その二軒隣りの人気ショコラトリー<ショコラ・ド・ルイ>で、あかりは不思議な万引き事件に遭遇した。それがきっかけで、ルイのシェフ長峰和輝と親しくなったあかりだが──。ボンボン・ショコラ、ガレット・デ・ロワ、クリスマスケーキ、アイスクリーム・・・・・・さまざまなお菓子に隠された、人々の幸福な思い出や切なる願いを、繊細にミステリアスに描く“美味しい”物語、待望の文庫化。
(ハルキ文庫より)

■感想
先日読んだ【和菓子のアン】から和菓子→チョコレートのお菓子リレーです♪
折しもバレンタインデーが間近なので、ピッタリですね(^^)

本作は、以前読んだ【ラ・パティスリー】の姉妹編だそうです。
便宜上、こちらで勝手にパティシエシリーズとしてしまいましたが、
どちらかというとスピンオフ作品という感じですね。
【ラ・パティスリー】の舞台、フランス菓子店“ロワゾ・ドール”では、
ショコラ・ルームを独立させて新店舗を構えることとなりました。
その新店舗“ショコラ・ド・ルイ”のシェフ、長峰さんが本作の探偵役を務めます。
長峰シェフは、いかにも職人気質で武骨な感じの人。表紙イラストの男性がイメージ通りですね(^^;)
始めは、ショコラ・ド・ルイのショコラティエである沖本さんが探偵役だと思ったのだけど。
前作でも沖本さんは出ていましたが、意外とイケメンだったのね。

そして表紙イラストの和服の女性が本作の主人公、
ショコラ・ド・ルイの二軒隣にある老舗和菓子屋“福桜堂”の売り子・絢部あかり。
なんとここでも和菓子が出てきました!
【和菓子のアン】を読んだ時に、和菓子には言葉遊びの要素があって和歌と似ているなと思ったのですが、
本作に「菓子の背景に、季節の移ろいや古典文学の一説がさりげなく隠されている」と
書かれているではないですか!
和歌の世界観を表現した和菓子も登場(第三話 月人壮士)するので、見事にシンクロしていました♪
そこまで狙っていた訳ではないのですが、思いがけず繋がっていたのはうれしいですね(^^)
ちょっと和菓子を見る目が変わったかもしれません(笑)

本作は6編からなる短編集です。
【ラ・パティスリー】よりもミステリ要素は高めだと思います。
とにかく魅力的なお菓子がたくさん登場しますので、お茶のお供にでもぜひ♪

 

【第一話 鏡の声】
あかりが新規オープンした<ショコラ・ド・ルイ>へ行くと、中学生ぐらいの女の子が六人ほどいたが、
少女の輪の中に不審な動きを見たような気がした。すると別の女性が、少女たちが万引きをしたと騒ぎだす。
万引きしたというのは五千円もする焼き菓子の入った大きな箱。しかし少女たちは誰も箱を持っていなかった。
その箱はいったいどこへ消えたのか?

ごみの分別で化粧箱を潰す時、複雑に折り込んであるなと感心したものですが、
そんな簡単に潰すことが出来るなんて驚きでした。
しかし、カチューシャの少女、どんな大人になるのか末恐ろしい気がします。
まあ子が子なら親も親なんだけどね(^^;)

【第二話 七番目のフェーブ】
あかりの飲み仲間の一人・桃香が結婚することになり、お祝いの品にお菓子を添えることになった。
ガレット・デ・ロワの中に贈る側の人数分のフェーヴを入れることになり、6人は一つずつフェーブを選んだ。
しかし、後日桃香から電話があり、ガレット・デ・ロワの中に7個のフェーブが入っていたという。

ガレット・デ・ロワもフェーブも全く知りませんでした。詳しい説明はコチラ→ガレット・デ・ロワ|Panipopo×cotta
確かにフェーブはかわいいので集めたくなっちゃいますね~(^^)
ここで【ラ・パティスリー】の主人公、ロワゾ・ドールの森沢夏織がちょこっと登場します。
しかしお話の方は何とも苦いですね・・・この先どうなってしまうのやら。

【第三話 月人壮士】
福桜堂の夏の新作は、工場内で競作し、1位になったものを出すことになった。
若手職人の三好は、あかりに長峰シェフとの仲介を頼んできた。自分の新作を見てもらいたいのだという。
二週間後、ショコラ・ド・ルイの新作アイスクリームのデザインが三好のデザインに酷似していることが判明し・・・。

【和菓子のアン】でも七夕をモチーフにしたお菓子が登場しましたが、ここで出てくるお菓子も素敵ですね。
それにしても、あかりも長峰さんの出張先まで押しかけるとは、意外としぶといですね(^^;)
このお話、美談のようになっているけど、どうもしっくりこないのですよね・・・。
これが長峰シェフなりのやり方なのだろうけど、商品にしてしまうのはやっぱり納得できない。

【第四話 約束】
あかりはショコラ・ド・ルイの沖本からディナーの誘いを受ける。
知り合いの経営するレストランに行く予定が、長峰が風邪を引いたので、その代りにということらしい。
沖本は、自分が東京のパティスリーにいた頃の思い出話を語る。

沖本さんからデートのお誘いかと思ったら・・・なーんだ(笑)
始めはあかりと沖本さんがいい感じになるのかと思ったのだけどなぁ。
このお話はミステリではありませんでした。
長峰さんは、昔はもっと気難しい方だったのですね。人に歴史ありです。

【第五話 夢のチョコレートハウス】
福桜堂に中年女性が現れ、夫は糖尿病なので、もしお菓子を買いに来ても売らないでくれと頼む。
その夫・田山は、長峰シェフに糖尿病でも食べられる特注チョコレートを注文していた。
ある日、あかりの元へ田山の息子から連絡があり、田山が入院していることを告げられる。

糖尿病なのにチョコレートハウスを持つことが夢とは、皮肉なものですね。
でも世界中のチョコレートが並ぶ店って素敵ですね。田山さんの夢が実現するといいなぁ。
奥さんの気持ちも分かるけど、菓子職人を殺人者呼ばわりしかねない態度には、ちょっとねぇ(^^;)
大好物を食べたら死ぬと言われたら、あなたならどうしますか?究極の選択ですね(笑)

【第六話 ショコラティエの勲章】
チョコレート愛好家が集まる会員制クラブ<関西ショコラ倶楽部>の会員である田山は、
12月の例会にあかりを招待したいという。次回の担当シェフは長峰が務めるらしい。
長峰が元いたショコラトリーのシェフの娘・天野花梨が叔父の代理で来ていたが、長峰の作品を酷評する。
長峰は、クリスマス向けのメニューでリベンジすることになる。

花梨のことを始め、鼻っ柱の強い生意気な子だな~と思っていたのですが、
有名シェフの娘だからこその悩みもあったのですね。第一話のカチューシャの少女とは全然違いました。
和菓子のオフ会は、ショコラ倶楽部のような堅苦しさはなく、楽しそう。参加してみたいですね(^^)
それにしても長峰シェフの純白のクリスマスケーキ、食べてみたい!

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267
◆冷や汗度404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • スイーツが好きな方
  • 日本古典文学が好きな方
  • 手軽によめるミステリをお探しの方
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Tag:上田早夕里 パティシエ

COMMENT 6

Thu
2013.02.21
11:13

akane

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お腹が空く~~~

翠香さんのレビューを読んでいるだけで、お菓子が食べたくなってきましたe-51(笑)
バレンタインだったので、お菓子やチョコテーマの読書... ピッタリですねi-101

ガレット・デ・ロワは、近藤史恵先のパ・マルシリーズの中に「ガレット・デ・ロワの秘密」という作品があるのを思い出しましたi-194

「ラ・パティスリー」から惹かれていますので、ぜひぜひあわせて読みたい作品ですi-189(「和菓子のアン」も気になりますi-178・・・て、今古典部再読中デスi-235笑)

Edit | Reply | 
Thu
2013.02.21
23:01

翠香

URL

akaneさんへ

本当に美味しそうなお菓子がたくさん出てきて悩殺されました(笑)
ガレット・デ・ロワは初めて知りましたが、フェーヴがかわいいですよね♪
パ・マルシリーズの中にも出てくるのですね。これはチェックしなければ・・・。
「和菓子のアン」は、ほっこり和み系ですが、
本作と合わせて読むと、和菓子の奥深さにハマりますよ~(^^)

お、古典部再読ですか~。
そういえば、この間BSの「宮崎美子のすずらん本屋堂」に米澤さんが出演していましたよ。
とっても真面目そうな方でした(^^)

私は予告通りこれから建築探偵を読みます。久しぶりなので、ドキドキする~v-344

Edit | Reply | 
Fri
2013.02.22
13:07

akane

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米澤さんが!

米澤さんがTV出演されてたんですか???i-240わ~見逃した!(笑)
しかも、すずらん本屋堂って・・・会社の先輩からオススメされてた番組だったのにi-229見れずにいたらi-201大失態ですi-238来週からちゃんとチェックしてみます。

あと、私も建築探偵を読みたくて...復習を兼ねて「美貌の帳」あたりから読もうと計画中ですi-201
翠香さんの感想楽しみにしていますi-185

Edit | Reply | 
Fri
2013.02.22
23:35

翠香

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akaneさんへ

この番組、前から知っていたのですが、実は私、今回初めて観ました(笑)
米澤さんが出演されるという情報はキャッチしていたので、
ようやく観ることができました(^^)v
これからも気になる作家さんの出演をチェックして観ようかなと思っています。

建築探偵、読み始めました♪
私も前作からかなり間が空いていたのですが、読んでいくうちに思い出してきました。
なかなか分厚い本なので、読み終わるのに時間が掛かりそうだけど、
今月中には感想アップするつもりです。

Edit | Reply | 
Sat
2013.04.13
17:26

百物語ガール

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これは最近読みました

私もつい最近読んだんですけど、
登場する人に一本通ったところがあってよかったですねー。
反面、いろんなチョコレートをモチーフに、どこか洒落てるところがいいですよね。

Edit | Reply | 
Sun
2013.04.14
12:18

翠香

URL

百物語ガールさんへ

長峰シェフがいかにも職人気質という感じでしたね。
あかりはちょっと僭越な感じがしましたけど。
でも色々なお菓子が沢山出てきて楽しめました(^^)

Edit | Reply | 

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