【朝霧】 北村薫

◆◇◆《私》をとりまく女性たちの幸せ、そして恋の予感◆◇◆

円紫さんと私シリーズ5
短編集
東京創元社 1998.4
創元推理文庫 2004.4

朝霧
朝霧北村 薫

おすすめ平均
stars落語と和歌
stars女性の感性がしっかり
starsしなやかな人間関係
starsうれしいような悲しいような
stars山は笑いかけている

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■あらすじ

前作『六の宮の姫君』で着手した卒業論文を書き上げ、巣立ちの時を迎えたヒロインは、出版社の編集者として社会人生活のスタートを切る。新たな抒情詩を奏でていく中で、巡りあわせの妙に打たれ暫し呆然とする《私》。その様子に読み手は、従前の物語に織り込まれてきた絲の緊密さに陶然とする自分自身を見る想いがするだろう。幕切れの寥亮たる余韻は次作への橋を懸けずにはいない。
(創元推理文庫より)

■テーマ
 愛・恋

■ヒロイン
 《私》(名前の記述なし)

■感想
 【六の宮の姫君】を読了後、すぐに本作を読んで正解でした。【六の宮の姫君】は論文としてはあれで完結しているのでしょうが、物語としては、途中でプツンと切れた感じだったのです。それが、本作で繋がりました。

 この円紫さんと私シリーズは、《謎》は一話で完結しているのですが、《私》の成長物語として【空飛ぶ馬】からずっと続いています。ですので、ぜひシリーズ刊行順に読んでいただきたいと思います。

 《私》は、無事卒論を提出し、アルバイトをしていた出版社に就職します。社会人になっても、自分の企画が通って、新進気鋭の評論家の本を出版することになったり、円紫さんの本を担当することになったりと、相変わらず順調なようです。考えてみれば、落語が好きで、円紫さんのファンだった《私》が円紫さんと親しくなれたのも、本当にラッキーなことですよね。

 さて、本作は時間の経過が早く、大学卒業前の冬から始まり、就職して2年の月日が経っています。【空飛ぶ馬】では、全編を通して半年の時間だったのですが、やはり大学生活と就職してからでは時間の早さが違うということなのでしょうか。
 その2,3年の時が過ぎる中で、私の周りには劇的な変化が。そして、《私》にも恋の予感344を感じさせるラストでした。次回作が楽しみですね。

【山眠る】 《私》が卒論を提出するところから、就職するまでのお話。【六の宮の姫君】で、《私》に謎を投げかけた、文壇の長老、田崎先生との俳句談義から、俳句の先生で小学校の校長をしている本郷先生の話へ──このように前作から送られたボールがまた次のお話へと送られていきます。《私》の姉も【夜の蝉】ではいろいろありましたが、ついに・・・!

【走り来るもの】 リドル・ストーリー(物語の『起承転結』の『結』が示されず、読者にゆだねるもの)の『女か虎か』の解釈を巡っての話から、仕事でお世話になっている、赤堀さんが書いた『走り来るもの』の結末を皆で当てる話へ。読者も一緒に参加できるので、ぜひ挑戦してみてください。219

【朝霧】 ここでの謎は、《私》の祖父の日記に書かれていた、暗号の解読。ヒントは示されていますが、これを読者が解読するのは難しいでしょう。《私》は円紫さんにヒントをもらいますが、自分で解読することに成功しています。・・・成長しましたね。そして、この暗号の答えが、《私》の恋の予感を感じさせます。次回作に送られたボールにはどんな恋愛模様が描かれているのでしょうか。 

■評価(5個が最高)

 

◆トリック度

267267

◆冷や汗度

404

◆満足度

★★★★

■特におすすめ!

  • 【六の宮の姫君】を読んだ方
  • 女性の方72
  • ミステリー小説初心者116
  • 推理小説は血生臭いのがちょっと苦手・・・404という方
  • 落語が好きな方
  • 文学が好きな方
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Category: 円紫さんと私シリーズ
Published on: Fri,  22 2007 23:04
  • Comment: 2
  • Trackback: 1

2 Comments

レイバック  

このシリーズは、ほぼハズレなしで、読んでいても安心感がありますね。
続きがまた読みたくなります。

2007/07/28 (Sat) 09:40 | EDIT | REPLY |   

翠香  

レイバックさん、コメント&トラックバックありがとうございます。
特にこの作品は、余韻のある終わり方ですよね。
次回作では、《私》とレクイエムの彼が上手くいくといいですね~

2007/07/28 (Sat) 18:42 | EDIT | REPLY |   

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