Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【平台がおまちかね】 大崎梢

 10, 2013

◆◇◆新人営業マンひつじくん◆◇◆

井辻智紀の業務日誌シリーズ1
短編集
東京創元社 2008.6
創元推理文庫 2011.9


■あらすじ

作り手と売り場を結ぶ糸をたくさん鞄に詰め込んで、出版社の新人営業、井辻智紀は今日も本のひしめくフロアへと向かう。──でも、自社本をたくさん売ってくれた書店を訪ねたら何故か冷たくあしらわれ、文学賞の贈呈式では受賞者が会場に現れない!? 他社の先輩営業マンたちにいじられつつも、波瀾万丈の日々を奮闘する井辻君の、こころがほっとあたたまるミステリ短編集第一弾。
(創元推理文庫より)

■感想
4月は新生活をスタートする時期なので、お仕事モノを選んでみました。
大崎梢さんといえば成風堂シリーズでおなじみですが、
出版営業マンを主人公とした新シリーズがあると聞いてずっと気になっていたのです。
成風堂シリーズは書店員の視点で描かれていますが、このシリーズでは営業マン視点。
同じように書籍を題材にしていても、置かれている立場によって見え方も変わってきますね。

さて、本作の主人公・井辻智紀は明林書房の新人営業マン。
前任者の吉野さんがイケメンで営業マンとしても優秀だったため、何かと比較されては落ち込むことも。
また他社の営業マンにもまれながらも日々奮闘しています。
他社の営業マン、キャラが濃過ぎ(^^;)
特に佐伯書店の真柴がチャラい。書店員さんとのラブロマンスばかり夢見ているという(苦笑)。
そして智紀のことを「ひつじくん」と呼ぶ。その都度「井辻ですけど」と訂正しても一向に直す気配なし(^^;)
智紀は新人ということもあって、いじられキャラなんですね。
別にこれといって取り柄のない普通の営業マンが幾多の困難を乗り越えていきます。
始め吉野さんが探偵役かと思ったのに・・・ちょっと残念(笑)

本作は5編からなる短編集で、各短編の終わりに「新人営業マン・井辻智紀の一日」という
ひつじくんの業務日誌がおまけについています。


【平台がおまちかね】

東横線沿線にあるワタヌキ書店のイベント台に、明林書房の『白鳥の岸辺』が大々的にディスプレイされていた。
智紀はお礼を言いに店長を訪ねたが、何故か店長はそっけない反応で「帰ってくれないか」と言われてしまう
失礼なことを言った覚えはないのだが・・・。

初っ端から吉野さんの意外な過去が分かります。仕事をしていると思わぬアクシデントにぶつかることもある。
それを上手くやりくりするのが営業マンの技量なのでしょう。情に流されてはいけないのですね。
でもお互いの誤解が解けてよかった(^^) ひつじくんの『十角館の殺人』のジオラマ、見てみたい!


【マドンナの憂鬱な棚】
出版営業マン達のマドンナ・ハセジマ書店の望月みなみは、あらぬ中傷を受けて傷ついているという。
「マドンナの笑顔を守る会」の面々は彼女の笑顔を取り戻すべく立ち上がる──。

濃~いキャラの営業マン達ですねぇ(^^;)
営業マンってこんななんですかね?書店でときおり見かけるのはもっと地味な感じですが・・・。
これはなんとなく想像つきました。まあこの短編はコメディということで(笑)

【贈呈式で会いましょう】
明林書房が主催する宝力宝賞の贈呈式当日、大賞受賞者の塩原が行方不明に!
吉野と智紀は手分けして捜すことにするのだが・・・。

贈呈式が始まるまでのタイムリミットがあり、なかなか手に汗握るお話で楽しめました。
受賞には色々なドラマがありますが、やはり正々堂々と勝負してほしいものです
津波沢先生の「南海の孤島を舞台にしたロマンチック宝探しミステリ」、読んでみたい(笑)


【絵本の神さま】
東北出張して訪れたユキムラ書店が閉店されていて茫然となる智紀。
閉店する直前、佐伯書店の営業マンが来て、奥さんが泣いていたという話を耳にするが・・・。

これはいい話ですねぇ~。パターンとしては【平台がおまちかね】と似ていますが。
これから存分に恩返ししてあげて欲しいですね(^^)
ところでひつじくん、昼食代は接待費で落ちたのかな?


【ときめきのポップスター】
ある大型書店でポップ販促コンテストを開催するという。
担当営業マンが自社本の中から一冊、他社本の中から一冊、プッシュする本を選び、
各自でポップを作製し平台に並べ売り上げを競うというものだ。
しかし、平台に置かれた本が移動するという出来事が度々起こる。

ポップスターと聞いてつい平井堅を思い出してしまった(^^;)
営業マン達のイチオシ本は実在する作品なので、ちょっとした読書案内になりますね(^^)
ここでの謎解きはちょっと成風堂っぽいな~と思っていたら、なんとさりげなくコラボしていました!

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267
◆冷や汗度404404
◆満足度★★★★

■特におすすめ!

  • 本屋さんが好きな方
  • 日常の謎ものが好きな方
  • 新入社員の方
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Tag:大崎梢 井辻智紀

COMMENT 2

Sun
2013.04.14
20:21

mokko

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w(゚o゚)w オオー!

成風堂シリーズは短編しか読んでいないけど
すごぉ~く面白かったんですが
これは営業マン目線なんですね
本と言えども本当に立場が変われば
見え方も変わるんですねぇ
これも面白そうですо(ж>▽<)y ☆
ヒツジ君というニックネームだけでホノボノします(o^o^o)

Edit | Reply | 
Mon
2013.04.15
00:29

翠香

URL

mokkoさんへ

「ひつじくん」は、真柴だけが勝手に呼んでいるのですけどね(^^;)
そうそう、成風堂とコラボしているのですよ。
本作では、最後にちょこっとだけでしたが、続編では多絵ちゃんとか出てくるみたい。
続編も文庫化されたら読むつもりです♪
あ、成風堂の『サイン会はいかが?』も積読しているから読まなくっちゃ!

Edit | Reply | 

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