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【人形パズル】 パトリック・クェンティン

 15, 2013

◆◇◆制服泥棒は殺人犯◆◇◆

パズルシリーズ3
長編
創元推理文庫 2013.3


■あらすじ

時勢ゆえ戦争に駆り出され、海の男になったピーター・ダルース。久方ぶりの休暇を愛妻アイリスと水入らずで、と思いきや好事魔多し。宿の手配に右往左往、大事な軍服を盗まれ、あげく殺人の容疑者に仕立てられる始末。軍務復帰まで三十時間、警察に引っ張られるなんて冗談じゃない。私立探偵コンビの助力を得て逃避行と真相究明が始まり・・・・・・。謎が謎を呼ぶ、パズルシリーズ第三作。

(創元推理文庫より)

■感想
ピーター・ダルースとアイリスが活躍する、パズルシリーズの第3弾です。

演劇プロデューサーであるピーター・ダルースは、妻を亡くしたショックからアルコール依存症に罹り、
療養所生活を余儀なくされます。その中での騒動を描いたのが、第1弾【迷走パズル】
リハビリが終わり、プロデューサーに復帰したものの、手掛けた芝居がトラブル続き。
無事初日を迎える為に奮闘するのが、第2弾【俳優パズル】。
そして、太平洋戦争が勃発し、ピーターも戦争に駆り出され、海軍中尉となったのが第3弾の本作です。

私は第1弾を献本で読ませていただき、第2弾を飛ばして、再び第3弾を献本いただきました。
(献本は「本が好き!」経由で東京創元社様からいただきました。ありがとうございます。)
第2弾を飛ばしている為、演劇プロデューサーであるピーターを見たことがない(^^;)
療養所患者だったピーターが海軍中尉とは・・・ピーターも立派になったものです(笑)
そして療養所で出会ったアイリスは女優となり、ピーターの妻に。
こちらも華麗なる転身というべき変わりようで、
こんなに好奇心旺盛で魅力的な女性だったのかと目を見張りました。

ダルース夫妻は久しぶりの休暇を夫婦水入らずで過ごそうと思ったものの、ホテルはどこも満室
しかし、側にいたミセス・ローズが部屋を譲ってくれるという幸運を得ます。
ちょっと風邪気味だったピーターがサウナに出かけたのが運の尽き。
ロッカーに入れた海軍の制服が何者かに盗まれてしまう!
泥棒が代わりに置いて行った安物の服を着て帰る羽目になったピーター。
素朴な疑問なのですが、下着はどうしたのでしょうね?
他人が履いたパンツは履きたくない・・・よね?(^^;)

ところが、犯人はただの制服泥棒ではありませんでした。
犯人は盗んだ制服を着てダルース中尉になりすまし、殺人を犯していたのです!
殺人犯の汚名を着せられ、窮地に立たされたピーター。
逃避行をしながら真相究明に乗り出すこととなります。

部屋を譲ってくれたミセス・ローズ。
サウナで出会った私立探偵のハッチ。
偶然通りかかり、車に乗せてくれた若手俳優のセシル・グレイ。
謎の言葉をつぶやく好色漢のひげの男など、
ピーターをとりまく人々は皆どことなく怪しく、敵か味方か分からない。
【迷走パズル】を読んだ時も思いましたが、怪しげな人を配置するのが上手い。

物語全体がドタバタとした雰囲気なので、殺人事件が起きていることを忘れてしまうほど。
先述のサウナの1件もそうですが、好色漢のひげの男とのやりとりとか、クライマックスの大捕り物帳とか
笑いの要素が満載です(^▽^)

ひとつ残念だったのが、事件の真相解明をある犯罪学者の論文に頼っている点。
これが30数ページもあって長いのですよ
物語の軽妙さが損なわれてしまっています。
真相は登場人物に語らせた方が良かったのではないかな。
ラストシーンをああいう形にしたのなら、あの人物の「病気」が出る前に語らせることは出来たと思うのだけど。

ただ、最後まで気が抜けないのがこの著者の上手いところ。
最後に驚くべき事実が待ち受けています!
私は幸か不幸か直前に気付いたのですが(笑)

著者のパトリック・クェンティンは、リチャード・ウェッブとヒュー・ウィーラーの合作ペンネームだそうです。
合作ペンネームの作家って意外といるのですねぇ。
クェンティンは2013年度本格ミステリベスト10で1位作家に選ばれたそうです。
ますます目が離せない作家さんになりそうです(^^)

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267267267
◆冷や汗度404404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • ドタバタ喜劇が好きな方
  • サスペンスが好きな方
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Tag:パトリック・クェンティン ピーター・ダルース パズルシリーズ

COMMENT 2

Sun
2013.04.21
19:30

mokko

URL

クエンティン・・・

というと、ついタランティーノという名前が
頭に浮かんでしまいます(^◇^;)
シリーズものなのですねぇ
本格ミステリベスト10で1位作家に選ばれたってのは
やはり面白いってことなんですねぇ
知らない日本の作家もたくさんいるのに
海外となると、気が遠くなりそうです
でも気楽に読めそうな感じの作品ですね(o^o^o)

Edit | Reply | 
Mon
2013.04.22
17:15

翠香

URL

mokkoさんへ

私も献本に上がってこなければ知らなかった作家ですね。
ここ数年は各出版社が翻訳ものに力を入れてきたので、
海外作品が色々読めるようになったのはうれしい限りです(^^)

本作はシリーズものですが、ドタバタで楽しい作品ですよ♪
映像化しても面白いかも。
ピーター役はロバート・ダウニー・Jrとか似合いそう(^O^)

Edit | Reply | 

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