Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

ミステリ小説・ドラマ・映画のレビューと、フィギュアスケートに関する話題について。ド素人なので初心者にも分かりやすく、楽しくを心掛けていきたいです。

Take a look at this
トップ > 海外ミステリ > 【シンデレラの罠】 セバスチアン・ジャプリゾ

【シンデレラの罠】 セバスチアン・ジャプリゾ

 27, 2013

◆◇◆「わたし」は誰?◆◇◆

セバスチアン・ジャプリゾ
長編
創元推理文庫 2012.2
20フランス推理小説大賞受賞作
【東西ミステリーベスト100】海外編41位


■あらすじ

わたし、ミは、火事で大火傷を負い、顔を焼かれ皮膚移植をし一命をとりとめたが、一緒にいたドは焼死。火事の真相を知るのはわたしだけだというのに記憶を失ってしまった。わたしは本当に皆の言うように大金持ちの伯母から遺産を相続するというミなのか?死んだ娘がミで、わたしはドなのではないのか?わたしは探偵で犯人で被害者で証人なのだ。ミステリ史上燦然と輝く傑作。

(創元推理文庫より)

■感想
テーマ読み「ヒロイン」第5弾は、もう1作シンデレラを。【シンデレラの罠】です。

これは以前「本が好き!」の献本に申し込んだのですが、残念ながら外れてしまった作品で、
やっぱり読みたかったので、購入しました。
これは昨年文藝春秋より刊行された【東西ミステリーベスト100】の海外編41位に選ばれた作品。
これのみならず、この手のオールタイム・ベストには必ずと言っていいほど選ばれている名作だそうです。
名作とならば、インスパイアされた作品も多く存在し、訳者あとがきでは、
綾辻行人氏の『四〇九号室の患者』(『フリークス』収録)、
鯨統一郎氏の『ふたりのシンデレラ』が紹介されています。
おおっこれはチェックせねば!『フリークス』は持ってるし♪ちょっと怖そうなので、夏の読書にいいかも!?
その他、最近では映画化もされたあの作品とか。
(タイトル言うとネタバレになるので伏せます・・・とはいえ、あちこちで書かれているけど^^;)
シチュエーションはまるで違うけど、最後までどちらか分からないという点では、
東野圭吾氏の【どちらかが彼女を殺した】もそうですね。

主人公の女性ミシェル(ミ)は、火事で大火傷を負い、一命を取り留めたが、
一緒にいた幼馴染のドムニカ(ド)は焼死した。
ミは、大金持ちの伯母から遺産を相続するという。
・・・とくれば、ははぁ~これは替え玉トリックだなと察しがつきますよね。
ところが事はそう単純ではない。
彼女は火事のショックで記憶を失っていたのだ。
写真を見ても、手紙を読んでも何も思い出せない。私は本当にミなのか?
自分がミであることを確認したのは、後見人のジャンヌだった。
彼女はジャンヌとドがミを殺して、ドがミになり替わるという計画でいたことを知る──。

わたしはこの事件の探偵であり、証人であり、被害者であり、犯人なのです。

本の帯にあるこのコピーに惹きつけられますが、単に一人四役を演じたということではなく、
あくまで生き残った彼女がミなのかドなのかという一点に尽きると思います。

やがて読者には事件の意外な側面が明らかにされます。
これは回想シーンの形式を取っているのだけど、この時点で彼女の記憶は戻っていないので、
神の視点による回想ということになるのですが。
記述が過去と現在を何度も行き来するので、ちょっと分かりにくかったですね(^^;)
そして彼女とジャンヌにとって想定外の事態が待ち受けています。
遺言状の件はやっぱり・・・!と思いましたね。なんという皮肉でしょうか(^^;)
ミドラ伯母さん、よく分からない人だなぁ。でも気まぐれなところはミと似ているかも!?
ところで幼くして亡くなったラ(アンジェラでラとはちと苦しいな^^;)は結局関係なかったってこと?

彼女は最後には記憶を取り戻します。
オチを額面通りに受け取れば、彼女は*ということになる。
でも見方によっては色々な解釈が出来るので、断定することは出来ない。
私は『シンデレラの罠』というタイトルに秘密があるように思います。
自分がシンデレラだと思っていたのは、どちらでしたっけ?
それでもシンデレラが罠にかけたのか、シンデレラが罠にかかったのかで解釈が異なってしまう。
丹念に読み込めば分かるという意見もありますが、
これとて訳者のさじ加減で変わってしまうような気もします。
結局のところ、訳者の解釈が色濃く反映されたものを読まされている訳で、その解釈が正しいのかは分からない。
違う出版社で別の翻訳があれば読み比べてみたいですね。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267267267
◆冷や汗度404404404404
◆満足度★★★★

■特におすすめ!

  • じっくり考えるのが好きな方
  • サスペンスが好きな方

 

これにてテーマ読み前半戦が終了。今のところハズレなし(^^)v
次回は1作、間に挟みまして、後半戦スタートです!

◆テーマ読み「ヒロイン」◆
テーマ読み「ヒロイン」

ブログランキング・にほんブログ村へ ←お読みになりましたらクリック忘れずに!
にほんブログ村

関連記事
スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
ランキングに参加しています。下のバナーをクリックして応援お願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

Tag:セバスチアン・ジャプリゾ

COMMENT 2

Sat
2013.06.29
06:31

mokko

URL

そうですよねぇ

やっぱり色んな解釈が出来ますよねぇ~
しかも、訳者の解釈っていうのが一番気がかりで
本当のところはどうなのよって気になってしまいます。
原作が読める語学力が欲しい!(^◇^;)

Edit | Reply | 
Sat
2013.06.29
17:38

翠香

URL

mokkoさんへ

また原語がフランス語なのがやっかいなんですよね~
大学で第二外国語はフランス語を選択していたけど、
ぜんっぜんさっぱりですe-275e-274e-78
でも仮にフランス語がペラペラだとしても推理力がないと・・・(^^;)

Edit | Reply | 

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

WHAT'S NEW?