Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【ユージニア】 恩田陸

 30, 2013

◆◇◆誰も触れない二人だけの国◆◇◆

恩田陸(シリーズ外)
長編
角川書店 2005.2
  角川文庫 2008.8
20第59回日本推理作家協会賞受賞作
発見!角川文庫2013対象本


■あらすじ

「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。犯人はいま、俺の目の前にいる、この人物だ──。かつて街を悪夢で覆った、名家の大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、遺された者たちの思い。いったい誰がなぜ、無差別殺人を? 見落とされた「真実」を証言する関係者たちは、果たして真実を語っているのか? 日本推理作家協会賞受賞の傑作ミステリー!!

(文春文庫より)

■感想
第59回日本推理作家協会賞受賞作。そして発見!角川文庫2013対象本です。
長らく積読していましたがようやく読むことが出来ました。

25年前、北陸のK市で病院を経営する青澤家で大量毒殺事件が発生した。
事件は容疑者の自殺という形で終結したが、一部で冤罪ではないかという意見が絶えなかった。
当時小学生だった満喜子はあやうく難を逃れたのだが、
大学生の時に事件関係者の証言を集め、『忘れられた祝祭』という小説を書き、ベストセラーに。
しかし、小説の中でも真相が語られることはなく、むしろ意図的に事実とは違うことが書かれていた。
果たして事件の真相は?そして「ユージニア」とは何か?

物語はさらに別の誰かが事件関係者にインタビューする形を取っています。
このインタビュアは終盤までその存在を消しており、終盤になってようやく表舞台に登場します。
関係者の証言を集めていくうちに徐々に事件の全容が明らかになっていくのですが、
途中『忘れられた祝祭』の内容と思われる章(関係者の名前を微妙に変えてある)や、断片を集めた章もあり、
何となくつかみどころのない感じです。

事件の真犯人については早い段階でほのめかされているのですが、なかなか動機が見えてこない。
中盤になってこれが動機かな?と思える話が出てきます。確かに伏線らしきものもあったし。
が、なにぶんまだ中盤である。これも犯人が本懐を遂げるための持ち駒の1つなのではないかと思えてくる。
ラストになり本当の動機らしきものは見えたのですが、はっきりしないまま終わっています。
回収されていない謎も多いし・・・ああ~やっぱり恩田作品だなぁ(^^;)

本作で印象深かったのは色彩が多く使われていた点。
「青い部屋」「白い百日紅」「黄色の雨合羽」等々。
青澤家の唯一の生き残りである緋紗子が盲目だったことへの対比でしょうか。

しかし緋紗子も怖かったのだけど、満喜子も怖かったなぁ。
人に毒を飲ませるのがどういう気持ちか知りたくて、
シチューの中に吐き下しの草を入れたのにはぞっとしました
子供の他愛無い好奇心というにはあまりにも・・・。

そしてタイトルにもなっている「ユージニア」とは何かですが、
恩田さんはミシェル・ぺトルチアーニというピアニストの曲のタイトルからとったそうです。
ぺトルチアーニの恋人の名前らしい。でも本作では全く別の解釈が与えられています。
本作の内容のおぞましさとは想像できないほど素敵な響きの言葉ですね
ちなみにレビューの見出しはスピッツの「ロビンソン」の1節です。なかなか「ユージニア」にぴったりでしょ?(^^)

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267
◆冷や汗度404404404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • 恩田陸作品が好きな方
  • 不思議なお話が好きな方
  • 夏にぴったりの本をお探しの方
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Tag:恩田陸

COMMENT 2

Wed
2013.07.31
21:35

miroku

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期待感のわりには・・・でしたね。
恩田陸は回収されない部分が上手く作用すると名作になるという、妙な作家ですねぇ。
『六番目のサヨコ』『ねじの回転』etc.
好きな作品はすっきりしない部分が余韻を残しているような気がします。
しかし、それでも『ユージニア』は売れましたよねぇ。

Edit | Reply | 
Wed
2013.07.31
23:38

翠香

URL

mirokuさんへ

本作に関してはもう一歩踏み込んで欲しかったですね。
えっ!これで終わり?って感じで(^^;)
私はすっきりしたいたちなので、「六番目の小夜子」とかは実はちょっと苦手です・・・。
「ねじの回転」は未読なのですが、同じ系統の作品なのですね。
じゃあ読むのはやめておこう(笑)

Edit | Reply | 

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