Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【スキップ】 北村薫

 10, 2013

◆◇◆時を越えて・・・◆◇◆

時と人シリーズ1
長編
新潮社 1995.8
  新潮文庫 1999.7

4101373213スキップ (新潮文庫)
北村 薫
新潮社 1999-06-30

by G-Tools

■あらすじ

昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた>>目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ──でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、《わたし》を生きていく。
(新潮文庫より)

■感想
偶然にも表紙が階段繋がりです(笑)
文庫を新刊で購入して以来、ず~っと積読状態だった(なんと14年も!!)本作、やっと読むことが出来ました。
懐かしい本屋さんのカバーが掛かってるなぁ。都内の某駅ビルで買ったのよねぇ。
そういえば【空飛ぶ馬】と出会ったのもこの本屋さんだったな~。・・・と感慨に耽るのはこの辺にして(笑)。

本作は《時と人》3部作─【スキップ】、【ターン】、【リセット】のうちの第1作です。
といっても共通のキャラクターが登場する訳でもないようなので、どこから読んでも大丈夫でしょう。

本作のヒロイン・一ノ瀬真理子は17歳の高校二年生。
ある日、学校から帰って、うとうとと昼寝をして目覚めたら・・・
なんと夫と17歳の娘がいる42歳の高校の国語教師・桜木真理子になっていたのだ!

眠っている間に25年の時を越えてしまう・・・とんだ浦島太郎状態ですね(^^;)
現実的に考えれば、真理子が記憶喪失になり、25年間の記憶がなくなったのだと見るべきだと思う。
でもその間に良き伴侶に出会い結婚し、子供が生まれ・・・という女性としての幸せのフルコースが含まれている。
しかも桜木真理子先生は生徒にも人気があったようです。決して忘れてしまいたい過去ではないはず。
また記憶喪失になっても、経験として得た知識や技術は体が覚えているものらしい。
桜木真理子さんは八宝菜が得意料理で、学校へは車で通勤していた。
ところが17歳の一ノ瀬真理子さんはまだ経験していないことなので、八宝菜も作れないし、車も運転できない。
本当に17歳の心のままなのです。

こんなことが我が身に降りかかったら、きっと大パニックになってしまうだろう。
同じ時を越えるにしても、17歳に戻れるのならかなりうれしいけど、逆は辛いよね~。
共感したのがこの部分。

一番許せないのは体型である。横から見るとDの字のように出たお腹だ。
いくら食べても飲んでも、決して太らないタイプだと思っていただけに、《自分》に裏切られたような気がする。

全く。若いころはダイエットなんて無縁だったのに、お腹に付いた肉、どうしてくれよう
北村先生、男性なのにどうして女性心理が分かるのでしょう??

しかし北村作品に登場する女性は本当に強くて凛としていますね。
真理子さんも不条理な現実を受け止め、高校教師・桜木真理子として生きていく決心をします。
桜木さんの妻として生きていくにはもうちょっと時間が必要なのだけど・・・ね

真理子さんの授業は面白くて、さすがは元国語教師の北村先生だな~と思いました。
まるで北村先生の授業を受けているようでちょっとうれしい(^^)
またバレーボール大会や文化祭などの学校行事の様子も事細かに書かれていて、
高校時代を思い出しつつ、自分もその場にいるかのように楽しめました。
真理子さんの心は17歳なので、生徒とのちょっと胸キュンなお話もあって。
文化祭の後のフォークダンスで彼が自分のところまで回ってくるかとドキドキ。うわ~青春だ~(*^^*)

失うこと、老いることへの残酷さをまざまざと見せつけられましたが、
それでも前を向く真理子さんに勇気を貰いました。全ての世代の女性に読んでほしい作品です。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267
◆冷や汗度404404404
◆満足度★★★★

■特におすすめ!

  • 女性の方
  • タイムスリップものが好きな方
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Tag:時と人 北村薫

COMMENT 6

Sun
2013.08.11
16:04

viviandpiano

URL

懐かしい!

お久しぶりです☆

これ、私も読んだときに、北村先生の女性の心情描写に舌を巻きました。
本当に、なぜわかるんだ!?(笑)

考えると残酷な話ですよね・・・私だったら泣きますよ。
毎日、めそめそ、きっと。
でも北村先生の描く女性は強いんですよね、心が美しい。
そういう凛とした女性になりたいとは、いつも願っているのですが。

Edit | Reply | 
Sun
2013.08.11
17:22

翠香

URL

viviandpianoさんへ

お久しぶりです(^^)

文庫が出てすぐ買ったはずなのに、随分長い間眠らせてしまった・・・!
この本も長い時を越えてきたのですねぇ。
でも買った当初にこの本を読んでいたら、今ほどには真理子さんの悲しみが理解できなかったかも。
今だから痛いほど分かる。
でも真理子さんには勇気を貰いました。素敵なお話でした。
「ターン」と「リセット」もそのうち読みたいと思います♪

Edit | Reply | 
Mon
2013.08.19
05:24

mokko

URL

実は・・・

ズーっと気になっていた作品だったのですが
mirokuさんにも絶対に読め!と言われてて
最近、古本屋さんで3冊まとめてGETしましたぁ
買った事に安心してないで、読まなくては(; ̄ー ̄川 アセアセ

Edit | Reply | 
Tue
2013.08.20
22:16

翠香

URL

mokkoさんへ

私もず~っと気になりつつも積読してました(^^;)
何でこんな長い間放置していたのだろう?
まさに買ったことに安心してしまったのでしょうね。
残り2冊も持っているので、なるべく間を空けずに読みたいですv-220

Edit | Reply | 
Wed
2013.08.21
08:39

結衣

URL

やっぱり感動(*_*)

これ、ミステリーだっけ? と思いながら再読しました。
本当にずいぶん久しぶりに読み返し「やっぱりミステリーじゃなかった」
と思いつつ、今回も感動しました。
私も真理子先生の国語の授業が好きです。
真理子さんの凛とした姿勢、細やかな感性、素晴らしいです。
北村先生の作品はやっぱり良いですね!(^^)!

Edit | Reply | 
Wed
2013.08.21
23:21

翠香

URL

結衣さんへ

結衣さんもこの作品、読まれていたのですね。
まあ確かにどちらかといえばミステリというよりはSFに近いかもしれませんね。
私はタイムトラベルものも好きなんです。
何故今まで放置していたのかと悔やみましたが、
今だからこそ沁みる話にも思えるので、それなりに意味はあったのかな。

Edit | Reply | 

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