Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【折れた竜骨】 米澤穂信

 16, 2013

◆◇◆わたしの小さな騎士◆◇◆

米澤穂信(シリーズ外)
長編
東京創元社 2010.11
  創元推理文庫 2013.7
20第64回日本推理作家協会賞受賞作
20本格ミステリ・ベスト102012年版国内ランキング第1位
20ミステリが読みたい!2012年版国内篇第1位
20このミステリーがすごい!2012年版国内編第2位
20〈週刊文春〉2011ミステリーベスト10国内部門第2位


■あらすじ

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。

自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年――そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ?魔術や呪いが跋扈する世界の中で、「推理」の力は果たして真相に辿り着くことができるのか?

(東京創元社HPより)

■テーマ
 12世紀イングランド

■感想
第64回日本推理作家協会賞受賞作であり、各種ミステリランキング上位を総なめしたという作品。
文庫化されたので早速購入して読みました。
(十数年寝かせていた作品もあれば、速攻読んでしまう作品もあり^^;)
上下巻だったので、ものすごいボリュームなのかと構えていたのですが、
注文していざ届いてみると、分冊は意外と薄目。文庫の分冊の基準はどこにあるのでしょうね?

本作についてはほとんど予備知識もないままに読み始めたのですが、
蓋を開けてみるとなんと歴史ファンタジーではないですか!米澤さん、色々な作風に挑戦しているのですねぇ。

物語の舞台は12世紀末、北海に浮かぶソロン諸島。
その領主ローレント・エイルウィンは「呪われたデーン人」の襲来に備えて傭兵を雇い入れた。
時同じくしてソロン諸島を訪れた騎士ファルク・フィッツジョンは
ローレントが暗殺騎士に命を狙われていることを告げる。
しかしファルクの警告も実らず、ローレントは暗殺騎士に操られた走狗(ミニオン)により殺されてしまう。
ファルクとその従士ニコラは領主の娘アミーナの命を受けて走狗の正体を突き止めることに──。

物語はアミーナが語り手となっています。
アミーナは16歳ながら領主の娘にふさわしい品格と強い心を持った女性で好感が持てますね(^^)
呪われたデーン人は首を切らない限り死なないとか、魔術が使われたりする特殊設定の世界ですが、
犯人の手と足の跡を調べる<レ・ボーの粉>は現代の鑑識が使うアルミニウム粉末のようなものだし、
密室の謎もあったりで、実は歴史ファンタジーの顔をしたミステリでした。
密室の謎に関してはこの世界ならではのトリックでした。
途中で薄々気付きましたが、あ~やっぱり・・・という感じですね(^^;)
ファルクが「儀式」と称して、関係者たちの前で謎解きを披露したのには笑ってしまった。

呪われたデーン人との戦闘は手に汗握りました。
一癖も二癖もある傭兵たちでしたがめざましい活躍でしたね
それにしても、アミーナの兄・アダムのダメダメっぷりには呆れました(^^;)
こいつが新しい領主でソロンは大丈夫なのかっ?
(なんとなく今やっているドラマ「DOCTORS2」の森山医師を思い出してしまう私です^^;)
アミーナが陰で手綱をしっかり握っていないといけませんね。

そして何よりニコラに萌えましたね~(〃▽〃)
赤毛の少年なのでここにもまたリベザルがっ!と思ってしまった(笑)
ファルクのことを「師匠」と呼ぶところも同じだし。
こっそり食べようとしたビスケットが風に飛ばされてしまったり、
宿の食事がファルクの方が豪華なので恨み言を言ったりするのはなんとも子供らしくて可愛い
それでもアミーナを敵から守る小さな騎士なんです。
ファルクの忠実な従士としてニコラの最後の決断には胸を打たれました
ニコラ、小さいのに強いのね。またいつかアミーナの為に帰ってきてね。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267267
◆冷や汗度404404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • 歴史ファンタジーが好きな方
  • 中世ヨーロッパの世界観が好きな方
  • 魔術・呪いなどの特殊設定を受け入れられる方

■参考

折れた竜骨 米澤穂信 | 東京創元社
▲東京創元社作品紹介ページ。登場人物紹介、地図等

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Tag:米澤穂信

COMMENT 6

Fri
2013.08.16
21:36

miroku

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ミステリーとファンタジーの融合という試みは上遠野浩平「事件シリーズ」等でも行われいますが、米澤さんは本来ファンタジー畑じゃないですからね・・・。
このチャレンジ精神が快いです♪
構造やトリックのみではなく、物語自体に情緒がありますね。
ラストの爽やかさも印象的。
私も大好きな作品です♪

Edit | Reply | 
Fri
2013.08.16
22:43

翠香

URL

mirokuさんへ

上遠野作品は読んだことがないので、どんな感じかよく分からないのですが・・・。
米澤さんは青春、探偵もの、ホラーテイスト等々色々な作風にチャレンジしていますよね。
色々な顔をしているけど、やっぱり骨格は本格ミステリなんですね。
でも謎を解いておしまいではなく、物語としても読ませますよね。
ラストシーン、爽やかでよかったです(^^)

Edit | Reply | 
Mon
2013.08.19
05:30

mokko

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やはり・・・

面白かったのですね
mirokuが来てる事でもわかります(^◇^;)
これも気になってる作品だったんですが
上下巻と聞いて、(  ° ▽ ° ;) エッと思ったけど
そんなに分量が多くないと聞いて安心しました(^◇^;)
翠香さんにしては珍しいと思ったら
知らずに読んでいたのですね(^◇^;)

Edit | Reply | 
Tue
2013.08.20
22:29

翠香

URL

mokkoさんへ

これ、読メで凄いことになってますね。
改めて米澤さんの人気の高さを感じました。

えっ?私にしては珍しいとは?
ちょっと誤解されているかもしれませんが、
本作は中世ファンタジーの皮を被ったミステリですよ。
米澤さんは色々な作風にチャレンジしていますけど、
骨格は本格ミステリの人なんですよ~

Edit | Reply | 
Sat
2013.08.24
22:24

mokko

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あ・・・

mokkoの書き方が悪かったです(^◇^;)
ファンタジーテイストのミステリは
読まないと思ってたんですよぉ~
中世ファンタジーの皮を被ったミステリだから
mokkoはチェックしてたんですけど
翠香さんは、ちょっと不思議が混じったくらいの
ミステリくらいまでかなぁ~と勝手に想像してました。
そして、上の自分のコメントで、mirokuさんを
呼び捨てにしてるし・・・
mokkoったら失礼な奴だわぁ~(; ̄ー ̄川 アセアセ

Edit | Reply | 
Sat
2013.08.24
23:59

翠香

URL

mokkoさんへ

う~んそこまで厳密に線引きはしてないですね。
中世の雰囲気は好きだし、ファンタジーも嫌いではない。
ファンタジーがダメだと薬屋も読めないですよ~(^^;)
ダメなのはスプラッター系ですね。
でも結構グロいのも読んでいるのですよね・・・。
まあそういうのはなるべく想像力スイッチをOFFにしています(笑)

Edit | Reply | 

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