Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

ミステリ小説・ドラマ・映画のレビューと、フィギュアスケートに関する話題について。ド素人なので初心者にも分かりやすく、楽しくを心掛けていきたいです。

Take a look at this
トップ > 海外ミステリ > 【泥棒は几帳面であるべし】 マシュー・ディックス

【泥棒は几帳面であるべし】 マシュー・ディックス

 28, 2013

◆◇◆泥棒は孤独な稼業ときたもんだ◆◇◆

マシュー・ディックス(シリーズ外)
長編
創元推理文庫 2013.7


■あらすじ

マーティンの生業は泥棒。といっても、窓ガラスを壊したり家を荒らしたりはしない。盗みに入る家を慎重に選び、住人の外出時間や周囲の環境を徹底的に調べて“お得意”を決め、泥棒が入ったことに気づかれないように食料品や宝石などを盗んでいるのだ。だがある日、とんでもない“事件”が発生してしまい・・・・・・。とびきり几帳面な愛すべき青年の活躍(?)を描くお仕事ミステリ!

(創元推理文庫より)

■感想
マーティンは泥棒である。

といっても、「今夜、インカの涙を頂戴に上がります
と大胆に予告状を送り付け、鮮やかな手口で奪う怪盗ではない。
彼のモットーは「盗まれていることを住人に気付かせないこと」
いわばコソ泥である。
マーティンは、ストックが大量にあり、住人がその量を正確に把握していない食料品や日用雑貨を盗む。
それでも時には高価な品物を盗むこともある。それを彼は「プロジェクト」と呼ぶ。

マーティンは盗みに入る家を選定し、実行に移すまでには綿密な調査を行う。
住環境、家族構成、職業、生活スタイル、家政婦の有無、間取り等々。
都合同じ家に何度も訪れることになり、選ばれた家は「お得意」となる。
マーティンは「お得意」を何軒も持ち、定期的に訪れては品物を頂戴するのだ。

もちろん泥棒は犯罪であり、いくら住人に気付かれなくても決して褒められたことではない。
でもこのマーティン、ちょっと憎めないところがあるのです。
それは彼が無類のお人よしで寂しがり屋だから。
マーティンは「稼業」のことを親友のジムにも秘密にしているし、
毎日行くダイナーに気になる女の子がいても、仕事については嘘をつかねばならない。
泥棒って孤独な仕事なんですねぇ。
お得意先で飼っているオウムを話し相手にしてしまうのも分かる気がします(笑)

そもそもマーティンが泥棒稼業に手を染めるきっかけは、義父との確執にありました。
ほとんど意地になっていると言ってもいい。
どんなに上手くやってのけても、義父はマーティンを認めたりはしないのに・・・
また、生き別れた実父とのわだかまりも抱えていて。
二人の父に愛されなかった悲しみと、本当の自分をさらけ出せない寂しさ。
原題の【Something Missing】に現われているように思います。

そして長年お得意の家へ訪問を続けるうちに、マーティンはその住人につい感情移入してしまう。
住人の身にトラブルが降りかかることを訪問中に知ってしまったマーティンは、
なんとか自分の存在は知られずに住人に知らせる方法はないものかと画策する。
一面識もない相手なのだから放っておけばいいものを、それができないのがマーティンなんですね。
自分の身の危険も顧みず、住人の為に奮闘するマーティン。
なんてお人よしなんだ。でもいい人だ~(^^)

でもこの身を挺した活躍が素敵な女性との出会いのきっかけとなったし、
その後の彼の人生は大きく変わることとなります。

「情けは人の為ならず」

やはり善い行いをすればちゃんと自分に返ってくるものなのですね

本作は「本が好き!」経由で東京創元社様から献本いただきました。ありがとうございます。

■評価(5個が最高)

 ◆トリック度267
◆冷や汗度404404404
◆満足度★★★

■特におすすめ!

  • サスペンスが好きな方
  • 優しい気持ちになりたい方(^^)
関連記事
スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
ランキングに参加しています。下のバナーをクリックして応援お願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

Tag:マシュー・ディックス

COMMENT 2

Sat
2013.09.07
11:43

mokko

URL

なんとも・・・

几帳面でお人よしのコソ泥って・・・
聞いたことないかもぉ~
こういう設定っていうのも楽しそうですね
泥棒なのに人助け( ´艸`)
これシリーズなのかしら?
それにしても、何故に原題が、日本語のタイトルになると
あぁ~も変わってしまうのかしら?
不思議だ(-。-;)

Edit | Reply | 
Sun
2013.09.08
00:23

翠香

URL

mokkoさんへ

映画もそうだけど、何故この原題がこの邦題に?というのがありますよね(^^;)
本作もイマイチセンスがないなぁと思ったりして。

マーティンは、下手をすれば自分が捕まってしまうのに、
お得意の為に一生懸命になっちゃうのですよね~
ただの自己満足なのだけど、やっぱりいいことをすれば自分に返ってくるものなのですね。
シリーズにはならないでしょうね。この結末ではもう後は続かないから(^^)

Edit | Reply | 

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

WHAT'S NEW?