Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【丸太町ルヴォワール】 円居挽

 14, 2013

◆◇◆丁々発止の法廷劇!◆◇◆

ルヴォワール・シリーズ1
長編
講談社BOX 2009.11
  講談社文庫 2012.9


■あらすじ

祖父殺しの嫌疑をかけられた御曹司、城坂論語。彼は事件当日、屋敷にルージュと名乗る謎の女がいたと証言するが、その痕跡はすべて消え失せていた。そして開かれたのが古より京都で行われてきた私的裁判、双龍会。艶やかな衣装と滑らかな答弁が、論語の真の目的と彼女の正体を徐々に浮かび上がらせていく。「ミステリが読みたい!」新人賞国内部門第2位、「このミステリーがすごい!」国内部門第11位。
(講談社文庫より)

■感想
ドラマ「リーガル・ハイ」が始まりましたね。前作シリーズからハマっていたドラマなので凄く楽しみにしていました。
なんといっても堺雅人さん演じる弁護士・古美門研介の強烈キャラが最高ですね(^▽^)
それ以前に私、法廷ものが好きなんです。
弁護側と検察側の駆け引きがもうたまりません♪
・・・と前置きが長くなりましたが、何か法廷ものを読みたいな~と思って手に取ったのが本作。

城坂論語は祖父殺しの嫌疑をかけられていた。
彼の携帯電話が祖父の部屋にあり、ペースメーカーの動作不良を引き起こしたのだ。
論語はその時「ルージュ」と名乗る女と一緒にいたのだが、他の誰もルージュの姿は見ていない。
それどころかルージュがいた痕跡もすべて消し去られていたのだ。

あらすじからウイリアム・アイリッシュの『幻の女』のオマージュかなと思いました。
作中でもちょこっと触れられているので、意識して書かれたのは間違いないでしょう。
ただここからがこの作品の独創的かつ主眼部分に突入します。

事件そのものはもみ消されて自然死として処理されたのですが、
その3年後、双龍会(そうりゅうえ)という私的裁判にかけられることになります。

双龍会とは平安貴族の私闘制度に由来するもので、現在では一種の祭事として行われているもの。
検事を黄龍師、弁護士を青龍師、被告を御贖(みあがない)と呼び、裁判形式を取っているものの
法的実行力はない。ただし社会的にそれなりの制裁は受ける。
龍師たちが衣装や決め台詞などを駆使して派手なパフォーマンスをする様子は外連味たっぷり。
また証拠をでっち上げようがバレなければOKというなんでもありなところもあります(^^;)

双龍会に突入してからは丁々発止の法廷劇(「劇」という言葉がまさにしっくりきますね^^;)に
ワクワクしたのですが、
いかんせん登場人物の誰にも感情移入できなかったのが痛かった
城崎論語からして、頭脳明晰な美少年であることを本人も十分に自覚しているという、
紅顔の美少年ならぬ「厚顔の美少年」だし(^^;)
ルージュと会話したのがまだ15歳だったのですが、
自分が「論語」という名前のせいか、やたらと孔子の言葉を引用する。こんな中学生嫌だ~
双龍会に立っている龍師たちも実は20歳そこそこの若者ばかりなのですが、
歳の割には老成し過ぎているというか、小賢しいというか・・・。

あと本作では麻雀用語が多数登場します。(双龍会も麻雀関連ですよね?)
私は麻雀のルールを何も知らないので、その辺もキツかったかな。
アガラスが何だか分からないので、置いてきぼりを喰った感じです。
麻雀が好きな人ならニヤリと出来るネタが多いと思いますよ。

また本作にはこれでもかとばかりに叙述トリックが仕掛けられています。
始めこそ驚かされましたが、あまり何度も何度もやられると辟易しますね(^^;)
登場人物の一人がいみじくも「どれだけどんでん返しするんだよ。馬鹿じゃねえの!」とのたまっています。
やっぱり叙述トリックは大きいのをひとつどっか~んとやられたほうが驚きは大きいですよ。

そしてルージュの正体については割と早い段階で分かってしまった。
途中翻弄されましたけどね。でも最終的にはやっぱりそうかという感じでした。
このルージュの正体だけで二転三転するのですよ。
中にはさすがにそれはないだろう!なんてのも含まれてましたが(^^;)

本作、ネットでの評価は高いのですね。
西尾維新作品に似ているという声も多く聞かれました。
西尾作品は読んだことがないので分かりませんが、何となく肌に合わないような気がしていたのですよね。
そういう意味でも本作は好みじゃなかったってことかな。
続編も出ているようですが、自分はここで打ち止めとします。
(ファンの方、ごめんなさい。怒らないでね)

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267267
◆冷や汗度404
◆満足度★★☆

■特におすすめ!

  • 法廷ものが好きな方
  • 西尾維新作品が好きな方(多分)
  • 麻雀が好きな方
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Tag:ルヴォワール 円居挽

COMMENT 2

Sun
2013.10.20
17:45

miroku

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確かに叙述トリックを多用し過ぎですね。
小技にまで使っているので、最初のインパクトが薄れるのは欠点だと思います。
でも、エネルギーに満ち溢れていてスタイリッシュ・・・まあ、演劇型・歌舞伎型の見得を切るというか、講談本を今に蘇らせた感じというか・・・そのあたりが新鮮でした。
好き嫌いは別れるでしょうね。

同一作品の個々の評価の違いが面白いですね。
それもまた新鮮です。

Edit | Reply | 
Sun
2013.10.20
22:32

翠香

URL

mirokuさんへ

法廷ものが好きなので、かなり期待していたのですが・・・。
自分の好みに合わなくて残念。
衣装が派手でも、大見得を切っていても別に大丈夫だったのですよ。
ドラマ「リーガルハイ」で古美門の派手なパフォーマンスには慣れてますから(笑)
何がダメって、キャラがダメ(^^;)
キャラに全く魅力を感じなかったので、もうこのシリーズを追うのは止めました。
麻雀ネタが全く分からなかったのもキツかったです。

Edit | Reply | 

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