Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【探偵宣言-森江春策の事件簿】 芦辺拓

 29, 2013

◆◇◆森江春策、探偵への軌跡◆◇◆

森江春策シリーズ5
連作短編集
講談社ノベルス 1998.3
講談社文庫 2005.9


■あらすじ

血塗られた時計塔の悲劇。高校生の森江春策は見事犯人を特定するが、それは新たな惨劇の序章にすぎなかった。飛翔する死体、謎めいた血文字・・・・・・つきつけられた7つの事件。時代も場所もバラバラの事件を解決していくうちに、森江が辿り着いた真犯人の正体とは? 驚愕と衝撃、芦辺拓の連作短編集!
(講談社文庫より)

■感想
テーマ読み「探偵」4番手は、【探偵宣言-森江春策の事件簿】です。
この腐敗した世の中を救うべく、何人かの人間が立ち上がりました。
高らかに探偵宣言する者が現れたのです!ブラボー!!

前々から何となく気になっていた森江春策シリーズ。
ドラマ化もされていることだし。(森江役は中村梅雀さんです^^)。
芦辺さんの著作はいくつか積読しているのですが、調べてみると森江春策シリーズが多い。
シリーズものは1作目から順番に読むというこだわりがあるのですが、
第一作の【殺人喜劇の13人】がなかなか手に入らないこともあり、割り切って本作を手に取りました。

さてこの森江春策、「日本一地味な探偵」というキャッチフレーズが付けられているとか(^^;)
確かに特に眉目秀麗でもなければ性格に難ありという訳でもなさそう。
あまりエキセントリックな探偵というのも現実感がないけれど、キャラ読みを自負する私としては少々物足りない。
系統としては伊集院大介が近いかも。

本作は森江の高校時代から現在に至るまでのエピソードが収められた7編からなる短編集です。
発表年度がバラバラなものを時系列に並べ直し、
最終編で全ての仕掛けが明らかになるようにまとめあげたのだそう。
後付けの連作短編集なので、力技なのは否めませんが(^^;)
なお森江自身は地味ですが、作中で起きる事件は不可能犯罪が多く、結構派手ですね(笑)
ただ芦辺さんの文章は硬くて(難しい熟語が多い!)読みにくいのが難点


【殺人喜劇の時計塔】
森江春策が高校時代の話。学校の敷地内にある雑木林で他校の生徒の撲殺死体が発見される。
その後、ある男子生徒が毒を飲んで倒れているのが見つかった。
その男子生徒が時計塔から石塊を投げ落とし、殺害したことを悔いての自殺と思われたが・・・。

一部倒叙形式で書かれており、さらに謎が深まり翻弄されてしまいます。
でもまだ高校生なのにこんな計画犯罪、怖すぎますね


【殺人喜劇の不思議町】
森江春策が大学生の時の話。旅の途中でドジを踏み、田舎の温泉町に立ち寄ることになった森江。
そこで旅館の主人の射殺事件に遭遇する。ひと月前には海の沖合で鬼火のような怪光が目撃されていた。

第一作の長編【殺人喜劇の13人】の冒頭で森江は旅に出ており、
その時のエピソードがこの短編になっています。そしてラストでまた長編へとつながる構成。
ここでのトリックはちょっと現実的でないような・・・日本の鑑識はもっと優秀だと思いますが。


【殺人喜劇の鳥人伝説】
新聞記者となった森江は、弁護士・九鬼麟一とともに山上のホテルに向かう途中、
事故を起こしたホテルの送迎バスに遭遇。到着したホテルでは九鬼の面会相手が撲殺されていた。
目撃証言によると、この被害者が空を飛んでいたというのだが・・・。

何とも奇想天外な事件ですが、真相は犯人がドジなだけだったのですね(^^;)
ここでは珍名さんが二人登場。漣(さざなみ)に干菓子・・・本当にある名字なのかな?


【殺人喜劇の迷い家伝説】
これも記者時代のお話。山の中腹にあった西洋館が忽然と消えてしまう!?

今度は岩風呂部長刑事が登場。岩風呂って・・・(^^;)
よくテレビでやっている建物消失マジックはこんなものでしょうね。後はいかに欺くかです。
でも何とも嫌な事件でした。子供たちが一枚咬んでいるのもやりきれない。


【殺人喜劇のXY】
森江は弁護士に転身し、【~鳥人伝説】で出会った九鬼弁護士の事務所に詰めることに。

本作は100ページ超の中編です。
ウェートレスたちは常連客に「近代ゴリラ」、「プリンセス・チャーミング」なんて渾名を密かに付けているのですが、
このネーミングセンスってどうなの?(^^;)
ダイイング・メッセージものですが、あまりにもマニアック過ぎる。それに犯人どこにいた??


【殺人喜劇のニトロベンゼン】
アントニイ・バークリーの長編『毒入りチョコレート事件』のパロディ。
喫茶<謎譚亭(めいたんてい)>で顔を揃えた人々が推理合戦を繰り広げるのですが、
芦辺作品の名探偵キャラクターが大集合している模様。芦辺作品ファンにはたまらない短編でしょう。
なお芦辺氏本人も登場しています。芦辺拓氏と森江春策の関係は内田康夫氏と浅見光彦と同じなんですね(笑)


【殺人喜劇の森江春策】
吉池と名乗るサングラスに口髭の男が森江の事務所を訪ねてきた。
しばらくして吉池はトイレに立つが、何者かに背中を刺されて死んでいた。
同じ頃、事務所にほど近いレストランでも男が刺殺された。
ナイフの柄には吉池の指紋が検出され、吉池を刺したナイフにはこの男の指紋が検出された。

両者差し違えたとしか思えない状況なのですが、別の場所で死んでいるという不可解な事件。
ここで短編の合間に見え隠れしていたT.Aの存在が明らかになります。
あの彼はT.Aの毒牙に掛かってしまったのですね。温厚な森江をも怒らせたT.A・・・悪魔ですね。

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267267267267
◆冷や汗度404404
◆満足度★★★

■こんな方におすすめ!

  • 他の芦辺作品を読まれている方
  • アントニイ・バークリー『毒入りチョコレート事件』を読んでいる方
  • 不可能犯罪ものがお好きな方

◆テーマ読み「探偵」◆
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Tag:芦辺拓 森江春策

COMMENT 2

Sat
2013.12.07
20:52

mokko

URL

未読の作家さん

ドラマ化してるんですねぇ~
これは見てなかったですぅ~
短編集とはいえ、パロってる作品があるから
それを読まないうちは、手を出さない方がよさそうです
トリック度が★5つ!
それほど凄かったって事ですね?
気になります!

Edit | Reply | 
Sun
2013.12.08
16:58

翠香

URL

mokkoさんへ

私も実はドラマは観ていないかも(^^;)
録画はしていたのだけど、観る時間がなくて結局消してしまったような・・・。
梅雀さん、信濃のコロンボもやっているので、ごっちゃになってしまう。

私も『毒入りチョコレート事件』、読んでいなかったのですよね・・・。
気になっていた作品だったのに。
パロっているとは知らないで読んでしまったorz
本家は忘れたころに読もう(笑)

Edit | Reply | 

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