Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【夜歩く】 ジョン・ディクスン・カー

 04, 2014

◆◇◆狂おしくも妖しい愛憎劇◆◇◆

予審判事アンリ・バンコランシリーズ1
長編
創元推理文庫(新訳版) 2013.11


■あらすじ

パリの予審判事アンリ・バンコランは、剣の名手と名高いサリニー公爵の依頼をうけ、彼と新妻をつけねらう人物から護るために深夜のナイトクラブを訪れる。だが、バンコランと刑事が出入口を見張るカード室で、公爵は首を切断されていた。怪奇趣味、不可能犯罪、そして密室。カーの著作を彩る魅惑の要素が全て詰まった、探偵小説黄金期の本格派を代表する巨匠の華々しい出発点。

(創元推理文庫より)

■感想
年も明けてしまいましたが、昨年分のレビューです。
なんとカーで年越しをしてしまった(^^;)

本作は予審判事アンリ・バンコランシリーズの第1作です。
本作はカーの記念すべき長編第1作だそうで、今回新訳版を読む機会を得ました。
これは「本が好き!」経由で東京創元社様からの献本です。ありがとうございます。

今までカー作品はフェル博士シリーズを中心に読んできたのですが、アンリ・バンコランシリーズは初めてです。
フェル博士はお茶目なキャラクターですが、対してバンコランはダンディで落ち着いた雰囲気ですね(*^^*)
表紙イラストのバンコランは悪魔的でちょっと怖い感じですけど、そこまで怖い人ではないです。
語り手はジェフ・マールというアメリカ人の若者でバンコランとは歳の離れた友人です。
二人の関係はクリスティのポアロとヘイスティングスのそれに似ていますね。
ジェフがまたヘイスティングズみたいにある女性に夢中になっちゃうのですよね(^^;)
まあ最初の出会いがちょっと刺激的でしたからね。

"人狼"に命を狙われていたサリニー公爵は、バンコランに身辺警護を依頼した。
ナイトクラブのカード室にサリニーが入室した後、
2か所の出入り口をバンコラン達と刑事が監視していたにもかかわらず、
サリニーは首を切断されて殺されてしまう。その間、誰もカード室を出入りしていなかった。
犯人はどうやって犯行を行い、そして脱出したのか?

カー作品の特徴である「不可能犯罪」「怪奇趣味」が色濃く出た作品です。
前妻を娶ったサリニーに復讐すべく殺人鬼と化したローランの存在がより怪奇性を醸し出しています。
でもローランの特徴によって、トリックがある程度予想出来てしまうのですよね(^^;)
密室の謎については分からなかったけれど。
巻頭の見取り図をよく見た方がいいですよ。この場所だから可能なトリックと言えるでしょう。
それからポオ作品のオマージュも作中に盛り込んでいます。(これも怪奇趣味といえますね^^;)
フェル博士シリーズの【帽子収集狂事件】ではポオの未発表原稿を話題にしていたので、
カーはポオに傾倒していたのかもしれませんね。

またカー作品ではロマンス要素を盛り込むことがありますが、
本作はロマンスというには妖しく、エロティックな雰囲気が漂います。
別れた夫や愛人が絡んだ愛憎劇は【皇帝のかぎ煙草入れ】でもありましたが、
本作は純愛と打算が入り混じってより濃密な感じがします。
犯人はきっと狂っていたのでしょう。それでも私は歪んでいてもそこに純愛を感じました。
でもバンコランは冷徹にも罪を許すことはしない。
罪に対する厳しさは「相棒」の右京さんと通ずるところがありますね。
最初はとっつきにくいと思ったバンコランですが、結構いいかも。これからも読み進めていきたいです(^^)

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度

267267267

◆冷や汗度

404404404

◆満足度

★★★☆

■こんな方におすすめ!

  • 本格推理が好きな方
  • 怪奇趣味が好きな方
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Tag:ジョン・ディクスン・カー アンリ・バンコラン

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