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【さよならドビュッシー 前奏曲(プレリュード) 要介護探偵の事件簿】 中山七里

 08, 2014

◆◇◆最恐の車いす探偵登場!◆◇◆

岬洋介シリーズスピンオフ
短編集
宝島社 2011.10
  宝島社文庫 2012.5


■あらすじ

『さよならドビュッシー』の玄太郎おじいちゃんが主人公になって大活躍!脳梗塞で倒れ、「要介護」認定を受けたあとも車椅子で精力的に会社を切り盛りする玄太郎。ある日、彼の手掛けた物件から、死体が発見される。完全密室での殺人。警察が頼りにならないと感じた玄太郎は、介護者のみち子を巻き込んで犯人探しに乗り出す・・・・・・「要介護探偵の冒険」など、5つの難事件に挑む連作短編ミステリー。
宝島社文庫より

■感想
本作は【さよならドビュッシー】の前日譚で岬洋介シリーズのスピンオフ作品。
本作の探偵役を務めるのは、【さよならドビュッシー】で非業の死を遂げた香月玄太郎氏です。
【さよならドビュッシー】を読んだ時は、偏屈だけど孫には甘いおじいちゃんという印象しかなかったのですが
(なにせ「退場」が早かったのであまり印象がない^^;)、
こういう形で探偵役に据えるというのはなかなか珍しいですね。

「要介護」と聞くと弱者のイメージがありますけど、口の方は極めて達者で、
自分の気に染まない言動をとった相手なら誰だろうと罵倒します(^^;)
名古屋有数の資産家で、警察幹部や政財界にも顔が効く傑物なので、
誰も彼も玄太郎には頭が上がらないという。まさに最恐の人物(笑)
また車いすだから「隅の老人」のような安楽椅子探偵かと思いきや、
介護者のみち子さんの付き添いで事件現場へと赴くフットワーク(?)の軽さ。
実にスーパーなおじいちゃんなのです(笑)

本作は5編からなる短編集です。
短編のタイトルがそれぞれシャーロック・ホームズシリーズを捩っているのもしゃれていますね(^^)


【要介護探偵の冒険】
玄太郎の店子で建築士の男が建築中の自宅で絞殺された。しかし現場は内側から全て鍵が掛かった密室状態。
警察の遅々とした捜査に業を煮やし、玄太郎は自ら捜査を開始する。

ここに要介護探偵の誕生です(^^)
いきなりの密室事件ですが、このトリック、私が某作品のトリックと考えていたものとそっくり同じだったのでびっくり
(某作品は違うトリックだったのですが^^;)それでもアリバイ崩しは緻密に計算されていてリアリティありました。
みち子さん、玄太郎氏のお守りも大変だなぁと思ったら、なかなか彼女も肝が据わっています(^^;)


【要介護探偵の生還】
玄太郎が脳梗塞で倒れた。言語中枢と指先のリハビリのため、元々趣味だった模型作りに取り組む。
同じリハビリセンター内では玄太郎と同じ脳梗塞の患者が歩行訓練をする日々が続いていた。

時系列でいうとこの短編が一番最初の話になります。
長嶋茂雄さんなどを見ていると元通りに回復するのはなかなか難しいと感じるのですが、
玄太郎さんは驚異の回復力ですね
この短編はミステリではないのかと思うぐらいなかなか事件らしきことが起こらないのですが、
ずっと不快に感じていたこと、やっぱりそうだったのですね


【要介護探偵の快走】
ここ最近、散歩中の老人が襲撃される事件が相次いでいた。
ついにマドンナの美代さんも襲われたが、警察は重い腰を上げようとしない。
業を煮やした玄太郎は自ら囮になろうとするが・・・。

玄太郎さんにも頭の上がらない人がいたのですねぇ。マドンナですか~(^^)
車椅子四百メートル競走は臨場感があって楽しかったです
現実に起きた事件が背景になっていますが、いずれバレるのに何故こんなことをしたのでしょうね


【要介護探偵と四つの署名】
玄太郎がお金を引き出すために銀行へ立ち寄ると四人組の強盗が乱入し、人質になってしまう。
玄太郎は四人に投降するよう説得するのだが・・・。

この短編のみ事件に巻き込まれる形になっています。
計画停電を利用した犯行というのが、いかにも震災後にヒントを得て書かれた作品ですね。
銃口を向けられても全くひるまず、冷静に状況を分析する玄太郎さん、さすがです。


【要介護探偵最後の挨拶】
玄太郎の旧知の仲である政治家の金丸公望が自宅で毒殺された。
不可解なことに金丸は帰宅してから一切ものを口にしていないという。
趣味のレコード鑑賞中に死亡したことから演奏に何か仕掛けがあるのではないかと疑うのだが・・・。

前4編はすべてみち子さんの視点で書かれていたのですが、この短編のみ玄太郎さん視点で書かれています。
【要介護探偵の冒険】のラストから繋がり、岬洋介が店子になるところから始まります。
実はこの短編の探偵役は岬洋介。ここで探偵役のバトンタッチが行われているのですね。
ラストシーンは【さよならドビュッシー】のあのシーンへと繋がるのかと思うと切なくなります
タイトルの『最後の挨拶』が沁みますね。

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267267
◆冷や汗度404404404
◆満足度★★★☆

■こんな方におすすめ!

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Tag:中山七里 香月玄太郎

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