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【警官の貌】 今野敏・誉田哲也・福田和代・貫井徳郎

 14, 2014

◆◇◆プロの眼力◆◇◆

今野敏誉田哲也福田和代貫井徳郎
アンソロジー
双葉文庫 2014.3


■あらすじ

警視庁捜査三課のベテラン刑事・萩尾秀一はなぜ真犯人は別にいると思ったのか? 浅草署留置係の小西逸男が最後の最後に見た光景とは? 警視庁通訳捜査官の城正臣と保安課の上月が切り込む犯罪の全貌とは? そして、残酷な犯人への怒りを自制する所轄刑事課の吉川圭一。個人の尊厳と社会の秩序のために、世間は何を求めたのか? 警察小説の第一線を走る著者による、新鮮な驚きに満ちた珠玉の短編集。待望の文庫化。
(双葉文庫より)

■感想
私にしては珍しく警察小説のご紹介です。
これ、新聞の新刊案内で見かけた時、貫井さんの名前があったのでちょっと気になっていたのですが、
たまたま父が買ってきたので、本人が読んだ後、借りて読みました。

この作品集は、今野敏『常習犯』(アンソロジー『誇り』収録)と
アンソロジー『痛み』に収録された3作を合わせた警察小説アンソロジーです。
どの作品も花形の部署でなかったり、設定において異色な警察小説となっています。


【常習犯】 今野敏
萩尾秀一は、警視庁捜査第三課・盗犯捜査第五係に所属する48歳の警部補だ。
捜査一課に憧れ、やる気にあふれる武田秋穂とコンビを組んでいる。
世田谷区内で空き巣事件が発生。萩尾は手口から『牛丼の松』と呼ばれる常習窃盗犯・松崎の仕業だと見抜く。
しかし松崎は、同じ管轄内で発生した強盗殺人事件の容疑者として捕まってしまう。
萩尾は『牛丼の松』は空き巣狙い専門で強盗殺人などやらないと信じ、松崎から話を聞く。

今野作品は初めてだったのですが、どうも既視感があるなと思ったら、昨年ドラマ化されていたのですね。
『確証~警視庁捜査3課』のタイトルで高橋克実さんと榮倉奈々ちゃんのコンビでした。
ドラマも良かったのだけど、他に観ているドラマが多かったので、途中で止めてしまったのですよね。
花形の捜査一課(『相棒』のカイト君も憧れているよね^^;)と比べると捜査三課は地味。
しかし犯罪のプロに対峙するプロの眼を持つ萩尾の職人気質なところがいいですね(^^)
短編の為か、少々あっさりし過ぎているのが残念。ハギさんの活躍する長編も読んでみたい。


【三十九番】 誉田哲也
小西逸男は浅草署で留置係員をしている巡査部長。
この署に来て4年になるが、何故か多くの署員が「コニさん」と親しげに呼ぶ。
ある日、生活安全課の川部から加賀見という男について尋ねられる。
加賀見は以前小西のいる浅草署に留置されていたのだが、嫌疑不十分で不起訴となっていた。
その加賀見が1か月半ほど前から行方不明になっているという。

誉田作品も初読みだったのですが、『ストロベリーナイト』や『ジウ』などのドラマではすっかりおなじみです。
どちらも女性刑事が主人公で、事件も猟奇的でセンセーショナルなものだった為、本作はちょっと地味な印象。
小西に徐々に不穏な気配を感じるのですが・・・それとは別の意味で驚いた。
それでコニさんは有名人だったのか・・・ということはあの描写は・・・ううっ。
ラストはホラーと化していました。やっぱり猟奇的でしたね(^^;)


【シザーズ】 福田和代
警視庁保安課の上月千里は、違法風俗営業の摘発により、
偽ブランド品の密売をしている劉という中国人の存在を知る。
中国人への取り調べは警視庁通訳センターに所属する通訳捜査官である城に頼むことが多い。
城と上月は独身寮時代は相部屋で今は官舎の隣同士になっている。
城の妻は城と幼い娘を置いて出て行ってしまい、城は娘を育てる為に通訳捜査官になったのだ。

刑事ものといえばバディがつきものですが、これは立場の違う二人の刑事という設定がユニークですね。
通訳捜査官という仕事は初めて知りました。確かに中国語が堪能だと引っ張りだこだろうなぁ。
でも取り調べの際にはそのまま訳すのではなく、ニュアンスまできっちり伝えないとやっぱり迫力に欠けますね。
城はなかなか強烈なキャラクターの持ち主ですが、一方上月は凡庸な感じですね。
外国人犯罪の現状、S(情報提供者)の存在などは興味深かったです。


【見ざる、書かざる、言わざる ハーシュソサエティ】 貫井徳郎
ファッション・デザイナーの野明慎也が両目を刺され、舌と両手の指を切断された無残な姿で発見される。
突然背後から薬を嗅がされた為、犯人の姿は見ておらず、犯人の心当たりもないという。
所轄署の吉川は本庁の捜査一課の近藤と組み、野明を妬んでいる同級生や従業員などから話を聞く。
また野明の会社に深夜何者かが侵入した形跡があったことが分かる。
しかし事務所内を捜索したが、何者かに荒らされた痕跡は見つからなかった。

胸が悪くなるような衝撃的な事件ですね。殺すより酷い残忍な手口なのですが、
殺さないのは死刑になりたくないからという憶測が生まれています。
そう、この作品の舞台は人ひとり殺せば死刑という厳罰化社会となった日本なのです。
解説では近未来の日本と書かれていますが、近未来にそうなるのでしょうか?その方が怖いですが・・・。
犯行動機はあるものの存在で分かってしまった。これはどこかでみたことあるような・・・。

 

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)
 ★★★

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Tag:今野敏 誉田哲也 福田和代 貫井徳郎 アンソロジー 警察小説

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