Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【掌の中の小鳥】 加納朋子

 03, 2014

◆◇◆答えは自身の手の中に◆◇◆

加納朋子シリーズ外
連作短編集
東京創元社 1995.7
  創元推理文庫 2001.2


■あらすじ

ここ<エッグ・スタンド>はカクテルリストの充実した小粋な店。謎めいた話を聞かせてくれる若いカップル、すっかりお見通しといった風の紳士、今宵も常連の顔が並んでいます。狂言誘拐を企んだ昔話やマンションの一室が消えてしまう奇談に興味はおありでしょうか? ミステリがお好きなあなたには、満足していただけること請け合い。──お席はこちらです。ごゆっくりどうぞ。
(創元推理文庫より)

■感想
長らく積読していた本。加納朋子さんの著作第三作です。
あらすじからカクテルバーで常連さん達が持ち込む不思議な話をバーテンダーが解き明かす安楽椅子探偵もの
という感じがしますよね。
北森鴻さんの香菜里屋シリーズとか、まだ未読なのですがタレーランシリーズなどのような。

ところが。

本作はとにかく構成が変わっています。
実は第一話【掌の中の小鳥】では<エッグ・スタンド>は登場しません。
表題作なのにメインの舞台が出てこないというのはかなり意外でしたね。
第一話はSCENE1とSCENE2の二つの話で構成されていて、
SCENE1では主人公・冬城圭介のほろ苦い学生時代のエピソードと心の古傷に触れる人との再会が語られます。
そしてSCENE2に入る直前に運命の女性と出会い、SCENE2では語り手のバトンはその女性に渡されます。
彼女は厳しすぎる校則の為、登校拒否になった高校時代の顛末と夏休みを過ごした祖母との想い出を語ります。
その時、彼女の傍らには別の男性がいたのですが、
その彼が洗面所に行っている間(何故洗面所に行くことになったのかはあえて言わないでおきますw)に
圭介が自分の推理を披露し、意気投合した二人は店を出ていくという具合。

第二話【桜月夜】で「たまたま」二人が入った店が<エッグ・スタンド>だったという訳です。
なおこの時まだ彼女は自分の名前を明らかにしていません(ネタバレしないように書くのも大変なんですよね^^;)
圭介の質問をはぐらかしつつ、彼女は突然狂言誘拐の話を始めます。
以降、物語の舞台は<エッグ・スタンド>に移っていきます。

ここで安楽椅子探偵を務めるのは実はバーテンダーではなくて主に圭介自身が務めます。
「主に」と言っているのは、<エッグ・スタンド>の常連に謎の老人がいて(作中では「先生」と呼ばれています)、
この人物が全てお見通しという風にふるった一言を残していくのです。
特に推理を開陳することはしませんが、この先生こそ影の探偵役かもしれません。

ただ構成を懲りすぎてしまった為、今現在がどの地点にいるのかが分かりにくかった。
それとちょっと偶然に頼りすぎている感もありますね。
また駒子シリーズほどには登場人物に魅力を感じなかった(この辺は好みによると思います)。
結局謎の老人の正体も謎のままだったし。
それでも女性作家らしい優しさと複雑な女性心理をよく表わしている作品だと思います。
場所柄色々なカクテルが登場するので、お酒が好きな方にはたまらないかも。

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267
◆満足度★★★

■こんな方におすすめ!

  • 女性の方72
  • 推理小説は血生臭いのがちょっと苦手・・・404という方
  • お酒が好きな方
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Tag:加納朋子

COMMENT 6

Sun
2014.05.04
17:53

マーキュリー2世

URL

質問したいことがあります

はじめまして。マーキュリー2世と申します。実は加納朋子のことでお尋ねしたいことがあります。

以下のURLによりますと、加納朋子さんは雑誌で場面かん黙をテーマに書かれていたとのことです。

http://www.univcoop.or.jp/fresh/book/izumi/info1401_02.html

*場面かん黙というのは家などでは話せるけど、学校など特定の場面で話せなく症状のことをいいます。

この場面かん黙をテーマとした加納朋子さんの作品のタイトルが知りたいです。そこで、ご存じであれば、教えていただきたく思います。

初対面で非常にご無礼だとは思いますが、知っていたらということで結構ですから、ご回答のほどよろしくお願いいたします。

Edit | Reply | 
Mon
2014.05.05
10:31

翠香

URL

マーキュリー2世さんへ

ご質問の件ですが、さすがにこれだけの情報ではちょっと分かりかねます。
どの雑誌に掲載されたのかが分かれば、もっと調べようがあると思うのですが・・・。
図書館で調べてみてはいかがでしょうか?

Edit | Reply | 
Wed
2014.05.07
13:36

マーキュリー2世

URL

ご回答のほど、ありがとうございます。

お返事、ありがとうございます。

そうですよね。せめて掲載雑誌ぐらいは分からないと、調べようがありませんよね。図書館に行ってもまさかすべての雑誌に目を通すわけにもいかないし。

実は、リンク先のサイトに問い合わせているのですが、おそらく分からないか返事が来ないと思います(単たる対談のページですので)。なので、知りたいけど、分からないという非常に困った状態だったので、ついこのブログにも衝動的にコメントをしてしまいました。

丁寧な回答ありがとうございました。そして、本当に失礼しました。

Edit | Reply | 
Wed
2014.05.07
23:49

翠香

URL

マーキュリー2世さんへ

確かにリンク先のサイト管理人に問い合わせてもお返事は期待できないでしょうね。
ですが、調べるヒントとしては、
雑誌に書いたと言われていることから、まだ単行本化はされていない作品のはず。
つまり雑誌は割と最近(せいぜい2,3年前ぐらい?)に刊行されたものだと思います。
それと加納さんは遅筆な方なので、そんなにたくさんは掲載されていない気がします。
以上のことからある程度絞り込めるのではないでしょうか。
健闘をお祈りします。

Edit | Reply | 
Tue
2014.10.21
16:14

マーキュリー2世

URL

作品が単行本化されました。

お久しぶりです。以前、加納朋子さんが書かれた場面かん黙をテーマにした小説に関して問い合わせをしたマーキュリー2世という者です。

実は探すのをすっかりあきらめていたのですが、作品が単行本化されたみたいなので、お伝えしておきます。『トオリヌケ キンシ』という題名の短編集です。よろしければ、お読みください。

Edit | Reply | 
Tue
2014.10.21
23:51

翠香

URL

マーキュリー2世さんへ

お久しぶりです。
無事作品が見つかったようで良かったですね。
私も読んでみたいのですが、実は私文庫派でして・・・。
図書館で借りて読んでもいいのですが、交通の便が悪いので面倒で(^^;)
文庫になったら読んでみますね。
情報ありがとうございました。

Edit | Reply | 

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