【麒麟の翼】 東野圭吾

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By翠香

◆◇◆千羽鶴に込められた贖罪の思い◆◇◆

加賀恭一郎シリーズ9
長編
講談社 2011.3
  講談社文庫 2014.2
338映画化作品 (2012.1.28公開 主演:阿部寛)


■あらすじ

「私たち、お父さんのこと何も知らない」。胸を刺された男性が日本橋の上で息絶えた。瀕死の状態でそこまで移動した理由を探る加賀恭一郎は、被害者が「七福神巡り」をしていたことを突き止める。家族はその目的に心当たりがない。だが刑事の一言で、ある人物の心に変化が生まれる。父の命懸けの決意とは。
(講談社文庫より)

■テーマ

 親子愛
 七福神巡り

■感想
加賀恭一郎シリーズ第9弾。
既に映画化もされましたが、原作を読むまではと録画したまま文庫が出るのをひたすら待っておりました。
これでようやく映画を観ることができます(^^)
『新参者』がドラマ化された時は、阿部寛さんは加賀のイメージと違う~と思っていましたが、
だんだん脳内イメージが阿部さんになりつつある・・・映像の影響ってやっぱり大きい。
というより原作がドラマのイメージに寄せていっているような・・・。

本作は【赤い指】から2年後の設定です。
加賀は【赤い指】でコンビを組んだ従弟の松宮刑事と再びコンビを組んで捜査に当たります。
従兄弟同士がバディね。ふむふむ
「恭さんってのは、そろそろやめたらどうだ」なんていうやりとりも楽しい(^^)
しかし、常にマイペースの加賀に松宮は振り回されっぱなし(^^;)
加賀は日本橋界隈をすっかり熟知しているようで、もはや「新参者」ではなく、顔なじみになっていますね。
小物の柄を見ただけでどこのお店の商品か分かるほどに。

今回の事件は被疑者死亡の形であっさり幕引きされると思いきや、
凶器が被疑者のものだと特定することが出来ず、
また被害者の行動にも不可解な点が多いことから捜査は難航します。
捜査の過程で被害者の会社で労災隠しが判明し、全て被害者の指示で行ったことだと釈明する会社側。
死人に口なしとはまさにこのこと。まったくブラック企業です
そんなだから派遣社員の労働条件が悪くなるのですよね。
被害者遺族に対する世間の眼も冷たいものに・・・子供たちは何も関係ないのに、学校で辛い目に遭う。
なんともやりきれない気持ちになります

一方、加賀の父の三回忌が近付き、加賀自身は乗り気でないものの、周りにせっつかれて執り行うことに。
加賀が改めて父の気持ちと向き合える機会を得たことはよかったと思います。
そして被害者の息子・悠人も父のメッセージをきちんと受け取ることが出来た。
この二組の父子の対比を物語に盛り込むあたり上手いですね。

根っからの悪人は誰も存在せず、都合の悪いことを誤魔化してしまった為に大いなる悲劇を生んでしまった。
加賀があれほど激昂するのは珍しいけれど、それだけあの人物の罪は重いといえるでしょう。

加賀恭一郎シリーズは、前半はトリッキーな作品が多かったですが、
だんだん家族愛や人情ものに移行してきたと感じます。
本作に関しては特にトリックらしきものはなかったので、物足りなく感じている人もいるようです。
まあトリックありきの物語は現実味も薄くてどうかと思いますけどね。
この辺のさじ加減が難しい。

さて次回作【祈りの幕が下りる時】は単行本が刊行されておりますが、
本作の帯によると「加賀恭一郎の物語、最後の謎。」とあります。
ひょっとしてこのシリーズ、終わるのでしょうか?加賀とあの女性はどうなるのでしょうか?
気になるけれど文庫が出るまで我慢。待ち遠しいです。

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267
◆満足度★★★☆

■こんな方におすすめ! 

  • 東京下町が好きな方
  • 人情ものが好きな方
  • 社会派志向の方
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Comments 2

mokko  

この作品は・・・

映画で観ました。
本を読むのが遅いので、ドラマや映画で観られるものは
極力映像を頼ってしまいます(^◇^;)
赤い指も、ドラマで見てしまいました。
いけないとは思いつつ、つい・・・
っていうか、シリーズ終わるんでしょうか?
気になります・・・

2014/05/18 (Sun) 19:44 | EDIT | REPLY |   

翠香  

mokkoさんへ

映画は原作を読んでからと思って録画したまま、まだ観ていません(^^;)
加賀のイメージは阿部寛さんとちょっと違うのですよねぇ。
初期の作品は特に。でも『赤い指』あたりからだとあまり違和感はないかも。
次回作で終わりなのかな?気になりますね。

2014/05/19 (Mon) 00:13 | EDIT | REPLY |   

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