Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

ミステリ小説・ドラマ・映画のレビューと、フィギュアスケートに関する話題について。ド素人なので初心者にも分かりやすく、楽しくを心掛けていきたいです。

Take a look at this
トップ > 近藤史恵 > ビストロ・パ・マルシリーズ > 【タルト・タタンの夢】 近藤史恵

【タルト・タタンの夢】 近藤史恵

 19, 2014

◆◇◆酸いも甘いも取り揃えております◆◇◆

ビストロ・パ・マルシリーズ1
短編集
創元クライム・クラブ 2007.3
  創元推理文庫 2014.4


■あらすじ

商店街の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。シェフ三舟の料理は、気取らない、本当のフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな彼が、客たちの巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎をあざやかに解く。常連の西田さんが体調を崩したわけは? フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか? 絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ!
(創元推理文庫より)

■テーマ
 日常の謎
 フランス料理

■感想
ビストロ・パ・マルシリーズ第1作です。ずっと気になっていたこのシリーズ、
以前探したけれど見つからなかったのはまだ文庫化されていなかったからなのですね(^^;)
なんと文庫化に7年もかかっています。な・長い・・・。
近藤作品はたくさんのシリーズものがありますが、
専門知識を必要とするものも多く、執筆までのご苦労も多いのかなと思います。

そして本シリーズの専門分野は「フランス料理」。
といってもビストロ・パ・マルはカウンター7席、テーブル5つという小さなレストラン。
高級レストランのような堅苦しさはなく、フランスの家庭料理のように素朴でカジュアルな雰囲気。
シェフの三舟さんは長めの髪を後ろで結び、無精髭を生やしている素浪人風(^^;)
無口で無愛想なのだけど、実はこのシェフが本作の探偵役です。
一方、スーシェフの志村さんは長身のさわやかイケメン。
高級ホテルのメインダイニングで働いていたのだが、三舟の料理に惚れこんで来たのだという。
ソムリエの金子さんは、髪を潔いほど短く切った女性で、
ワイン好きが高じてOLを辞め、ソムリエの資格を取ったらしい。趣味が俳句というのもシブい。
そしてギャルソンの高築くん。彼の視点で物語が進行します。

本作は7編からなる短編集です。
どれも日常のごく些細な出来事ですが、三舟シェフが料理人ならではの視点で謎を解き明かします。
中身はほろ苦かったり、甘々だったり、色々な味が楽しめると思います(^^)


【タルト・タタンの夢】
常連の西田さんは、歌劇団の男役を務める女優と婚約した。
しかし彼女の手料理を振る舞われた後、腹を壊してしまったという。彼女の方はなんともないようなのだが・・・。

彼女がごく普通の女性ならこんなことは起きなかった。
人気者を独り占めするとファンからは恨みを買いやすいものなのですね
しかし彼女ももう少し料理を勉強した方がいいですね(^^;)


【ロニョン・ド・ヴォーの決意】
ひどい偏食で要注意人物の粕谷氏から予約が入った。
パ・マルの面々は戦々恐々として見守っていたが、どうやら無事に召し上がってくれた。
ところが粕谷氏と同伴していた女性が閉店時に舞い戻ってきて驚くべき決意をシェフに告げる。

思い込みが激し過ぎて見事に玉砕。痛すぎる・・・
プロの味と家庭の味は材料や技術の他にもこんな違いがあったのですね。


【ガレット・デ・ロワの秘密】
志村さんがフランスの二つ星レストランで修業していた頃、奥様の麻美さんと知り合った。
フランス人の友人たちとガレット・デ・ロワを焼いて食べる時にフェーブを入れたのだが、
切り分けたどの中にもフェーブは出てこなかった。フェーブは一体どこへ消えた?

ガレット・デ・ロワは日本人には馴染みが薄いかもしれませんが、
以前【ショコラティエの勲章】(上田早夕里著)を読んでいたので知っていました。
もう志村さんったら、かわいいっ(≧▽≦)


【オッソ・イラティをめぐる不和】
二日続けて来店した脇田さん、奥様が突然家を出てしまったのだという。
その直前、奥様はフランスに旅行に行ったのだが、脇田さんはお土産を勝手に他の人にあげてしまった。
でもそれぐらいのことで怒る?

食材によっては、他の物と掛け合わせるとよりおいしくなるものもある。
まさに「マリアージュ」という言葉がピッタリ
二人の個性が合わさってより素晴らしい人生になる・・・それが結婚というものなのでしょう。


【理不尽な酔っぱらい】
甘味屋<はぎのや>の店長・萩野さんが高校時代の同級生二人を連れて来店した。
三人は何度も甲子園に出場している名門野球部の出身だったが、
現役時代、後輩の不祥事で出場辞退していた。

夢の舞台に向けて必死に練習してきても、たった一握りの心無い人の為に全てが台無しになってしまう。
やりきれない気持ちになりますね
それにしても山田、自爆テロ?(^^;)


【ぬけがらのカスレ】
エッセイストの寺門さんは鵞鳥のコンフィのカスレを希望した。
彼女のエッセイには鵞鳥のカスレが原因で恋人と別れた話が書かれていた。
何故、古傷を抉るような料理を注文したのか?

ほんのちょっとの行き違いから誤解をまねくこともある。
三舟シェフによって気付くことの出来た彼女は幸運でした。きっとまだ間に合いますよね(^^)


【割り切れないチョコレート】
チョコレート専門店<ノンブル・プルミエ>のオーナー・鶴岡氏は妹ともめていた。
胃癌で入院している母親を見舞う暇もないという。
ノンブル・プルミエのチョコレートの詰め合わせはどれも中途半端な数になっていた。

これは鶴岡さんの気持ちを考えると切ないですね。きっとお母さんに気持ちが届くことを信じたい。

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267
◆満足度★★★★

■こんな方におすすめ!

  • 日常の謎ものが好きな方
  • フランス料理が好きな方
  • 洋菓子が好きな方
スポンサーサイト

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
ランキングに参加しています。下のバナーをクリックして応援お願いいたします。
ブログランキング・にほんブログ村へ      blogramのブログランキング  

Tag:ビストロ・パ・マル 近藤史恵

COMMENT 2

Mon
2014.06.02
16:37

結衣

URL

おいしそう(*_*)

居酒屋が舞台で、そこのマスターが謎解きをする……というのは、
北森鴻の「香菜里屋」シリーズや、畠中恵の『とっても不幸な幸運』など、
今までにも読んだ事があったのですが、フランス料理店は初めてかも……。
ここはまた、食べごたえのありそうな店ですね(*_*)

ほのぼのしたり、せつなかったり、一編ごとに読後感は色々でしたが、
どれもまさに「料理人ならではの謎とき」という点で一貫していますね。
料理に詳しくない私には、驚く事ばかりでした。

これは続編もあるのですね。引き続いて読んでみます(^_^;)

Edit | Reply | 
Mon
2014.06.02
21:38

翠香

URL

結衣さんへ

またもやお久しぶりですね(^^;)
えっと、香菜里屋は居酒屋というよりビアバーですね。
畠中さんの方は読んでいないので分かりませんが・・・。

相変わらず近藤史恵作品にハマってますね~
フランス料理は格式ばっていて、なかなか店に入りにくいですが、
こんなカジュアルなレストランなら通いたいですね。
志村さんの優しい料理説明付きで♪(何気に志村さんのファンですw)

Edit | Reply | 

コメント&トラックバックに関する注意

コメントについて

他者を誹謗・中傷、宣伝目的、公序良俗に反する書き込みは固くお断りします。
そのような書き込みは管理人の判断で削除いたします。
また、作品を未読の方もご覧になりますので、ネタバレにはご注意ください!
くれぐれも犯人の名前やトリックなどを書き込まないように願います。
どうしてもネタバレの内容を語りたい方は、SECRET(管理者にだけ表示を許可)にチェックを入れて
ナイショのコメントにしてくださいね。

トラックバックについて

言及リンクのないトラックバックは受け付けません。
言及リンクとは、トラックバック元の記事(貴方が書いた記事です)に
当記事へのリンク及び当記事の紹介(または感想)が含まれているものを指します。
それ以外はトラックバックスパムと見なす場合があります。
トラックバックスパムと見なされた場合、予告なく削除することがあります。

なお、コメント・トラックバックともにスパム防止のため承認制を採らせていただいています。
記事に反映されるまで時間がかかることがありますが、しばらくお待ちくださいね(^^)
また、コメント・トラックバックのルールについては、
Love knot~ミステリ&フィギュア通信~の歩き方にも記載しておりますので、
合わせてご一読ください。

WHAT'S NEW?