Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【クラインの壺】 岡嶋二人

 18, 2014

◆◇◆夢から覚めた夢◆◇◆

岡嶋二人(シリーズ外)
長編
新潮社 1989.10
  新潮文庫 1993.1
  講談社文庫 2005.3
55TVドラマ化作品!(NHK1996/03/18~1996/03/29放送
 出演:佐藤藍子・中山忍ほか)


■あらすじ

ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけでヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることになった青年、上杉。アルバイト雑誌を見てやって来た少女、高石梨紗とともに、謎につつまれた研究所でゲーマーとなって仮想現実の世界へ入り込むことになった。ところが、二人がゲームだと信じていたそのシステムの実態は・・・・・・。現実が歪み虚構が交錯する恐怖!
(新潮文庫より)

■感想
ずっと読みたいと思っていた作品、ようやく読むことができました(^^)
本作は岡嶋二人名義の最後の作品だそうです。
なんとドラマ化もされていたのですね。確かに映像にしたら面白い作品かも。
ただジュニア向けで登場人物の年齢や関係性など原作とかなり違う部分があるようですが(^^;)

上杉彰彦はアドベンチャー・ゲームブックの原作公募に応募したが、
規定枚数を大幅に超えていた為失格となった。
しかしイプシロン・プロジェクトが彼の作品に目をつけ、ゲーム化の話を持ちかけてきた。
やがて試作品が完成し、上杉はゲームのモニターとして参加することになる。
モニターには上杉の他にアルバイト募集でやってきた高石梨紗がいた。
ヴァーチャルリアリティシステム『クライン2』は、ゲーマーがゲームの世界へすっぽり入り込み、
ゲームの中で起こる出来事を五感を通じて体験することが出来るゲーム。
上杉と梨紗は毎日顔を合わせるうちに親しくなっていく。
ところがある朝、梨紗の友達・真壁七美から電話があり、梨紗がアパートに帰ってきていないという。
果たしてイプシロン・プロジェクトへ行くと、梨紗が突然辞めたと告げられる。
その後梨紗の行方はつかめなくなる。梨紗は一体どこへ?

『クライン2』は、映画「マトリックス」に近い感じかな。
とはいえマトリックスはコンピュータの中に入ってスーパーマンのように飛んだりという、
非現実な世界であるのに対し、クライン2はもっとリアリティがある世界。
臭いも痛みも現実のものとして感じる。
素っ裸でゲーム機の中に入るのもかなり抵抗がありますね。いくら高給のバイトでもやりたくない(^^;)

梨紗の行方とクライン2の真の目的という二つの謎を上杉は七美と共に探求することになるのですが・・・
いや~なんとも話が大きくなりましたねぇ(^^;)
それで最初のシーンへと戻るのねと納得しかけたら、さらにもう一ひねりありまして・・・う~む。
結局のところタイトルに尽きるのかなという気がします。
クラインの壺とはメビウスの輪をさらに立体化したもので、
メビウスの輪は帯を捩じって表と裏を繋ぎ合わせていますが、
同様にパイプを捩じって端と端を繋ぎ合わせたのがクラインの壺です。
表をたどっていくといつしか裏になっている・・・今いる世界は表なのか?裏なのか?
私は割とリアルな夢を見ることがありますが、しばらく経ってからあれは夢の中の話だったのかと
少し混乱することがあります。夢でさえそうなのですから、ここまでリアルな世界を体験したら狂うよね・・・。

この作品が書かれた当時、パソコンのメモリーは1メガだったそうです。
四半世紀が経ち、今やパソコンのスペックはギガからテラ単位。驚異的な技術の進歩です。
3Dプリンターで本物そっくりのものが作れるし、人間と会話できるロボットも生まれている。
作中の世界がまんざら絵空事と思えなくなってきた現在の方が恐怖を感じますね。

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267267
◆冷や汗度404404404
◆満足度★★★★

■こんな方におすすめ!

  • サスペンスが好きな方
  • バーチャル・リアリティに興味がある方
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Tag:岡嶋二人 ドラマ化作品

COMMENT 2

Sat
2014.06.28
21:04

mokko

URL

なるほど!

メビウスの輪はわかっていたけど、クラインの壺っていうのが
わからなかったんですが、ようやく理解できました。
岡嶋二人名義の最後の作品なのですねぇ
まだ2冊くらいしか読んでないけど、面白いですよね
ただ、読む時期を選ぶ作品ってことになるのかな?
1メガの時代、ありましたよねぇ~(^◇^;)
そして現実と妄想の境目・・・
確かにその部分だけは綾辻氏のフリークスみたいだけど
フリークスの方は精神病患者の頭の中なもんだから
いきなり答えを突き付けられてエッ?って感じですよ(^◇^;)

Edit | Reply | 
Sat
2014.06.28
23:59

翠香

URL

mokkoさんへ

私も岡嶋作品はそんなに読んでいないけれど、割とハズレが少ないかなという感じですね。
少しずつ読み進めたいです(^^)

この作品では妄想というよりゲームの中の虚構ですね。
あまりにもゲームがリアルすぎるからだんだんどっちなのか分からなくなる(^^;)
むしろ今読んだ方が実現可能な気がして怖いと思いますよ。

Edit | Reply | 

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