Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【霧越邸殺人事件】 綾辻行人

 10, 2014

◆◇◆死を予言する館◆◇◆

綾辻行人シリーズ外
長編
新潮社 1990.9
  新潮文庫 1995.2
祥伝社ノン・ノベル 2002.6
角川文庫<完全改訂版> 2014.3

■あらすじ

1986年、晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」を訪れる。冷たい家人たちの対応。邸内で発生する不可思議な現象の数々。見え隠れする何者かの怪しい影。吹雪で孤立した壮麗なる“美の館”で舞台に今、恐ろしくも美しき連続殺人劇の幕が上がる!日本ミステリ史上に無類の光芒を放ちつづける記念碑的傑作、著者入魂の<完全改訂版>!!
(角川文庫上巻より)

■感想
『館シリーズ』番外編的作品。巻頭に──もう一人の中村青司に捧ぐ──という献辞があったので、
この館も中村青司が作ったもので何処かにからくりがあるのかな?と思ったのですが、そうではなかった(^^;)
館シリーズの図面と霧越邸平面図は全て奥様の小野不由美さんが作成されているので
「もう一人の中村青司」という意味だそうです。あら、ラブラブ~(笑)

今回、<完全改訂版>として角川文庫から刊行されたものを手に取りました。
ここ数年各出版社で改訂の動きが多いですよね。
絶版等でなかなか手に入りにくい作品が、装いも新たになり再び読めるようになるのは喜ばしいことですね(^^)

さて物語は<暗色天幕>という劇団の一行が道中突然の吹雪に見舞われ、
道に迷った挙句に現われた「霧越邸」に泊めてもらえることになります。
まさにコテコテの「吹雪の山荘」ものです(笑)
当然そこで連続殺人事件が発生する訳なんですが、
実は始めの事件が起きるまでに上巻の半分以上を費やしています。な・長い・・・。

それまでは霧越邸の持つ幻想性と住人の怪しい雰囲気を描写することで場を盛り上げている感じです。
霧越邸には<暗色天幕>のメンバーの名前と符合する「何か」があります。
まるで彼らがこの邸を訪れることを前もって知っていたかのような・・・。
とはいえ、中にはこじつけもあるのだけど(^^;)
そしてこの家には少々変わったところがあり、来客があるとこの家は動き出すのだという。
誰も手を触れないのに落ちた灰皿、突然枯れてしまったカトレヤ・・・これらはある者の未来を暗示していた!
どうです?この雰囲気、ぞくぞくするでしょう?

下巻に入ると一気に事件は加速度を増します。
まさかあの人まで殺されてしまったのはショックでした。実は途中まで犯人と疑っていたのは内緒です(^^;)
さらにこの連続殺人は北原白秋の『雨』の歌詞に見立てた「見立て殺人」でした。
いや~ちょうど梅雨のこの時期に読んだので雰囲気満点でしたねぇ(^^;)
犯人を当ててやろうと色々考えたのですが、一つの可能性は早々と登場人物によって否定されちゃったし・・・
そうかクリスティの『そして誰も・・・』は踏襲していなかったか。
不覚にもあんな分かりやすい所を見逃していたとは・・・。

なおこの家で起こる「現象」については人為的なものではありません。
その為、刊行当初は否定的な意見も多くあったとか。
確かにトリック部分で幽霊や超能力に頼ってしまったらミステリとしては反則ですが、
現象は現象として存在しているけれど、事件を起こすのはあくまで人間なので、特に問題はないと思います。
現在では西澤保彦氏の『チョーモンインシリーズ』のように超能力の存在を前提としたミステリも
数多く書かれているので幾分受け入れやすくなったかもしれませんね。

いや~久しぶりにバリバリ本格を読んだという感じです。やっぱり本格ミステリが好きだー!!

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267267267267
◆満足度★★★★☆

■こんな方におすすめ!

  • 本格ミステリが好きな方
  • 幻想小説が好きな方
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Tag:綾辻行人 クローズド・サークル 見立て殺人

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