Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【矢上教授の午後】 森谷明子

 20, 2014

◆◇◆夏と停電と謎の死体◆◇◆

森谷明子シリーズ外
長編
祥伝社 2009.7
  祥伝社文庫 2012.4


■あらすじ

夏の午後。古ぼけた大学の研究棟が嵐に閉ざされた。停電とある事情で連絡も出入りも不可能に。さらに誰も見知らぬ男の死体が発見され、矢上教授は真相を追い始めるが・・・・・・。殺人者はまだこの建物の中に? 民俗楽器破損、表彰状盗難など、続発したささいな事件と殺人の関係は? 異色の学者探偵が、謎だらけの老朽校舎で奔走する、ユーモア満載の本格ミステリ登場!

(祥伝社文庫より)

■感想
森谷作品を読むのはこれが3作目です。
前の2作は歴史ミステリだったので、歴史や古典に特化した作家さんなのかと思っていたのですが、
こういう現代物も書かれるのですね。作風の違いにかなり戸惑いました。

タイトルとほのぼのとした表紙イラストから日常の謎系だと思われるかもしれませんが(私もそう思いました^^;)、
実はなんと殺人事件が起きています。しかも現場はクローズド・サークル状態。
クローズド・サークルといえば、人里離れた場所が嵐による土砂崩れや橋の陥落などで孤立してしまうという、
いわゆる《嵐の山荘》か、大雪により通行が不可能になる《吹雪の山荘》のパターンがごく一般的。
しかし本作では大学の研究棟が落雷による停電で自動ドアが開かず、さらにある理由で非常口も開かなくなり、
中にいる人間が閉じ込められてしまうという変則パターン。
都市部でクローズド・サークルを完成させるとはなかなか斬新なアイディアですね。
といっても、このクローズド・サークルの成立には、
建物が「オンボロ棟」でしかも夏休みで人がほとんどいないからこそ可能だったわけですが(^^;)
つい先月雷雨で一時停電したので、作中の混乱ぶりはよく分かります。
雷鳴がしたらパソコンのデータはこまめにセーブしましょう
データが突然消えて今までの作業が水の泡になってしまいますよ(経験者^^;)

本作はずらり50章で構成されていて、その場面ごとに多視点で語られています。
この手法は恩田陸さんの【ドミノ】とよく似ていますね。
【ドミノ】は登場人物が多いのに散漫な印象にならず、一気に集約する様が見事だったのですが、
それと比べると見劣りしてしまうかも。余計なエピソードが多く、冗長な感じがします。
正直、途中飽きてきてしまいました
実は殺人事件とは関係ない日常の謎的な事件も起きていて、
それ自体は興味深い謎なのだけど、別になくてもいいような気が・・・(^^;)
そもそも殺人事件にもそれほど力点は置かれていません。
動機というか事件の背景だけは妙に社会派なんですよね。
最初と最後の章だけ幻想的な雰囲気を醸し出しているのも何だか宙に浮いている感じだし・・・。
あらすじには「ユーモア満載の本格ミステリ」とありますが、
ユーモア満載でもないし(全然笑えない)、本格とも言い難い。・・・何とも不思議な作品です。

なお終盤にある登場人物の持病が発覚し、女子大生が思わず吹き出すというシーンがあります。
ですがこの病気で苦しんでいる人も多いし、一歩間違えば死に至ることもある怖い病気です。
いくらこの人物がいけ好かない奴だからって、その病気を笑うのはあまりにも不謹慎ではないでしょうか。

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267
◆満足度★★☆

■こんな方におすすめ!

  • ゆるミス(ゆるいミステリ)が好きな方
  • 動物が好きな方
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Tag:森谷明子 クローズド・サークル

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