Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【静おばあちゃんにおまかせ】 中山七里

 23, 2015

◆◇◆おばあちゃんの知恵袋◆◇◆

中山七里シリーズ外
短編集
文藝春秋 2012.7
  文春文庫 2014.11


■あらすじ

警視庁一課の刑事、葛城公彦は平凡な青年。天才的な閃きにも鋭い洞察にも無縁だが、ガールフレンドの高遠寺円に助けられ今日も難事件に立ち向かう。法律家を志望する円のブレーンは元裁判官の静おばあちゃん。最後まで予断を許さないストーリー展開で一気に読ませる痛快アームチェア・ディテクティブ連作。
(文春文庫より)

■感想
本作はタイトルとあらすじからも分かる通り、おばあちゃんを探偵役とした安楽椅子探偵ものです。
元裁判官の静は孫の円と二人暮らし。円に対し、行儀作法から掃除、料理に到るまでとにかく厳しいのですが、
孫の成長を認める懐の深さを持っている女性です。
【要介護探偵の事件簿】のおばあちゃん版といった感じですね(^^)
円の両親は飲酒運転の車に轢かれて死亡したのですが、何故か加害者に飲酒の形跡は認められず、
歩行者の不注意と判定され、実刑を免れています。
これは直前に読んだ【最後の証人】と同じパターンだったので、符合に驚いてしまいました。
本作は5編からなる短編集です。
捜査一課の刑事・葛城公彦が円に事件について相談→葛城は円を伴って独自に捜査→
円は捜査内容を静に報告→静に知恵を授けてもらった円が謎解き というのが一連のパターン。
帯には「暮らし系社会派ミステリ」とありますが、不可能犯罪を扱ったものが多く、がっつり本格モノですね。
個々の事件を解決する傍ら、円の両親の事件についても徐々に明らかになっていきます。
円と葛城の恋愛がどのように進展していくのかも見所です。


◆静おばあちゃんの知恵
 暴力団との癒着が噂されていた久世警視が銃殺された。ライフルマークから椿山警部が容疑者として浮上。
 椿山警部は久世警視と犬猿の仲だったが、容疑は否認していた。

 銃の指紋と言われるライフルマークがあることを初めて知りました。
 安楽椅子ものにしては始めからごつい事件でちょっとびっくり。
 確かにこのトリックが使える人はあの人しかいませんね。


◆静おばあちゃんの童心
 「町田のレディ・ガガ」と呼ばれていた老婦人が自宅で撲殺された。
 彼女は二億を超える資産を持っていた為、遺産目当ての殺人かと思われたが、
 5人の親族はいずれもアリバイがあった。

 これはトリックは割と分かりやすいかな。
 お金に執着するあまり、家族をも信用できなくなってしまうとは悲しいですね。
 もっと広い心で接していればこんな悲劇は起こらなかったのに・・・


◆静おばあちゃんの不信
 葛城は宗教団体<至福の園>への潜入捜査を命じられる。
 警備部長の一人娘が入信してしまい、脱会するよう説得せよという。
 折しも至福の園では教祖の復活の儀が執り行われていた。

 人体消失トリックですね。種明かしをされると子供騙しのトリックで笑ってしまうのですが、意外とバレないかも。
 しかし民間人の円を潜入させるなんて、いくらなんでも危険すぎます。
 結果的に葛城と円の距離が縮まったのですけど・・・ね


◆静おばあちゃんの醜聞
 東京スーパータワーでクレーンを操作中の作業員が殺された。
 上空450mの場所でいったいどうやって殺害したのか?
 犯人は外国人労働者のパウロと断定されたが、パウロは容疑を否認していた。

 東京スーパータワー・・・スカイツリーのことですよね(^^;)また凄い所が殺害現場になったものです。
 アームの先に凶器を取り付けて、というトリックは私も考えたけれど、そんな神業ではないです(笑)
 いつも正しい静おばあちゃんにも失敗はあったのですね・・・。


◆静おばあちゃんの秘密
 来日していた独裁国家元首が宿泊先のホテルで殺害された。
 大統領の部屋の前には兵士たちが監視しており、部屋を出入りする者は誰もいなかった。
 犯人はどうやって脱出したのか?

 国家レベルまで話が大きくなったのでびっくり。
 トリックは何となく想像できたけれど、これはなかなかスマートなやり方ですね。

いつも静が直接謎解きをするのではなく、円が代弁者となることにまどろっこしさを感じていたのですが、
そういうことでしたか!確かに所々違和感があったのですよ。
ラストについては賛否両論あるようです。
帯に「驚愕のどんでん返し!」とあるので、もっとミステリ的なものを期待していただけにちょっと肩透かし
このラストにしなくても・・・とも思います。続編が作れないので、ちょっと勿体ないかな。
ちなみに『テミスの剣』という作品で、現役裁判官時代の静に会えるようなので、
いずれそちらも読んでみようと思います(^^)

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267267
◆満足度★★★☆

■こんな方におすすめ!

  • 安楽椅子探偵ものが好きな方
  • 不可能犯罪ものに興味がある方
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Tag:中山七里 高遠寺静

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