Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【ジョーカー・ゲーム】 柳広司

 10, 2015

◆◇◆死ぬな、殺すな、とらわれるな◆◇◆

ジョーカー・ゲームシリーズ1
短編集
角川書店 2008.8
  角川文庫 2011.6
20第30回吉川英治文学新人賞受賞作。
  20第62回日本推理作家協会賞・長編及び連作短編集部門受賞作
338映画化作品(2015.1.31公開 主演:亀梨和也)


■あらすじ

結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」。この戒律を若き精鋭達に叩き込み、軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は、当然、猛反発を招いた。だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く結城は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を上げてゆく・・・・・・。
吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞に輝く究極のスパイ・ミステリー。
(角川文庫より)

■感想
昨夏の文庫フェアで購入していた本。映画化をされたのを機に読んでみました。
というか、映画化原作ということで購入したのですよね(笑)

時は第二次世界大戦が激化する昭和12年。
結城中佐の発案で、陸軍内にスパイ養成学校─D機関─が極秘裏に設立された。
天皇を現人神と仰ぎ、敵に捕らえられれば、敵を殺すか自決するという軍隊の精神を真っ向から否定し、
「死ぬな、殺すな、とらわれるな」という戒律を叩き込まれた精鋭たち。
彼らは常に影となり、ミッションを遂行していく──。

映画のトレーラーや公式サイトをちらっと見ましたが、スパイアクションになっているようです。
原作とは内容が随分違うみたいですね。
本作では天井裏に這いつくばったり、小型カメラや隠しマイクのような小道具も出てきません。
これについて、本文を引用してみますと、

スパイの日常には冒険もロマンも存在しない。(中略)一般に流布する派手な、あるいは華やかなイメージとは異なり、スパイの本質はむしろ“見えないこと”にある。

なので映画を観て、派手なアクションやお色気シーンを期待すると肩透かしを喰らうかも(^^;)

本作は5編の短編集です。以下に簡単にあらすじをご紹介します。

◆ジョーカー・ゲーム
親日家のアメリカ人技師にスパイ容疑がかかる。しかし、憲兵隊の家宅捜索では何も見つからなかった。
参謀本部はD機関を潰すため、証拠を持ってくるように命令する。
偽の憲兵隊長となった佐久間は、もし何も出なかったら切腹することを約束させられてしまう。

◆幽霊 ゴースト
英国総領事・グラハムが爆弾テロ計画と関係があるのかを調査する為、
D機関の諜報員はテーラーの店員・蒲生になりすまし、グラハムのチェスの相手として接触する。
心証的にはほぼシロなのだが・・・。

◆ロビンソン
英国の諜報機関に捕らえられた伊沢は、二重スパイを志願する。
本心を確認する為、自白剤を打たれた後、本国に偽情報の暗号文を打電するよう命じられる。
本国に損害を与えず、脱出するために伊沢のとった行動とは?

◆魔都
及川大尉の家が爆弾テロの被害に遭った。本間は爆弾の出所を突き止めるよう、命じられる。
翌日、本間の元に新聞記者が訪れ、爆発現場である人物を見かけたという。
本間は夜の街で人込みの中にその人物を見つけ、尾行していくと・・・。

◆X X ダブル・クロス
ドイツ人の二重スパイがD機関諜報員・飛崎の監視下で死亡した。
現場には遺書が残され、警察は自殺として処理したが、飛崎の心証では自殺とは思えない。
しかし、恋人が帰宅するまで、標的に接触したものは誰もいなかった。

 

それぞれの短編が50ページ位なので、あっさりさらっと読めます。
短編ごとに主人公が異なるので、初めは戸惑いました。
短編同士の繋がりも特にないので、散漫な印象を受けてしまうのはちょっと勿体ないかな。
唯一、すべての短編に共通する人物が、結城中佐
毎回主人公が変わるオムニバスのように見えて、実は結城中佐が主人公の短編集なのですね。
ただ結城中佐は、いかにもスパイの大元締めらしく、頻繁に表舞台には出てきません。
諜報員たちが行き詰った時、的確に指示を出したり、ヒントを与えたりします。
それによって新たな展開が開けたりするので、指導者としても優秀で、カッコいいですね。

『魔都』は、D機関の諜報員が主人公ではないので、異質な作品ですね。結末もバッドエンドだし。
『X X ダブル・クロス』は、この中では一番ミステリっぽいです。
私はラストが痛快だった『幽霊 ゴースト』と、脱出のドキドキ感のある『ロビンソン』が好みです。

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

  ◆トリック度 267267267
◆満足度 ★★★

■こんな方におすすめ!

  • スパイ小説が好きな方
  • 男性の方
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Tag:柳広司 結城中佐 D機関

COMMENT 2

Sun
2015.02.22
08:31

mokko

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これは・・・

一時期、色んな人が読んでいたので気になっていたのですが
そこで止まってました(^◇^;)
スパイ物とは思っていたのですが、短編集だったのですね
翠香さん的には、まぁまぁってところですか?
やはりちょっと気になるかなぁ~

Edit | Reply | 
Sun
2015.02.22
23:55

翠香

URL

mokkoさんへ

私も前から気になっていた作品なのですが、
戦争とか軍隊とかが苦手なので、なかなか手が出せずにいました。
短編集のせいもあるかもしれませんが、
面白いけれど、割と地味で淡々としている感じですね。
でも結城中佐はカッコいいです(*^^*)

Edit | Reply | 

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