Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【塔の断章】 乾くるみ

 02, 2015

◆◇◆堕ちていく女◆◇◆

乾くるみ(シリーズ外)
長編
講談社ノベルス 1999.2
  講談社文庫 2003.2
  講談社文庫(新装版) 2012.11


■あらすじ

お腹の子の父親はあなたよ──別荘の尖塔から転落死した美貌の社長令嬢・香織。悲劇が起きたのは、ある小説のゲーム化を企画するメンバー8人が別荘に集まった夜だった。父親は誰か。彼女の本当の死の理由は。激しい恋が迷い込んだ先の暗黒を描いた、乾マジックが冴え渡る“謎解き恋愛ミステリー”の決定版!
(講談社文庫より)

■感想
あの映像不可能と言われた【イニシエーション・ラブ】が近日映画公開されるらしい。
あれを映像化するとなれば、全ては主演の松田翔太さんの演技力に懸かっているのかも。

さて、同じ乾くるみ著の本作、冒頭に見取り図があり、タイトルからも分かる通り、塔のある館なので、
館ものだと期待していたのですが・・・すっかり騙されました
誰がどの部屋なのか、注意しながら読んでいたのに・・・見取り図は全く関係なかったとは(^^;)
やはりこれも乾氏お得意の叙述ものでした。

序章で何やら訳ありな男女が登場し、男が塔から女を落とす・・・。
ここで物語は過去へ。
作家・辰巳まるみが書いた小説『機械の森』。そのゲーム化を企画するスタッフ8人が湖畔の別荘に集まった。
その夜、社長令嬢でデザインを担当する香織が別荘の尖塔から墜落死する。
事件は自殺ということで処理されたが、
香織の兄・秀一は、現場にいたスタッフ2人を呼び寄せ、事件の捜査を依頼する。

と、便宜上内容を順序立ててご紹介しましたが、
実際には時系列もバラバラな挿話がカットバック形式で綴られています。なるほど、だから断章なのか。
中にはある人物の子供時代のエピソードも挿入されており、
これがどう事件と絡んでくるのか、謎は深まるばかり。
また、ある人物に関してわざとぼかした描写があり、
騙されないぞ~と眉に唾をつけて(もちろん実際にやった訳ではない^^;)読んでいたのですが、
途中で決定打が出て、訳が分からなくなりました。あ~そっちだったのね~。
読者が警戒してくることを見越して二重に罠を仕掛けてくるあたり、非常に巧妙です。

断章の最後でようやくすべてのからくりが分かり、そういうことかと納得したのですが、
読書メーターのレビューを眺めてみると、私とは違う解釈をしている人がいて焦りました。

    ちょっと待て、ちょっと待て、お兄さん??舐めたらアカン~♪でしょ!

後でネタバレ解説サイトで自分の解釈が間違っていないことを確認しましたが(^^;)

それにしても、最後のオチには脱力・・・。
脈略のないエピソードの関連性を考えていたのに、全く意味がなかったとは・・・
2003年に刊行された文庫には「塔の解説」なる自作解説が付けられているそうです。
要はあまりに懲りすぎてしまったが為に、読者が気付かない部分が多く、書く羽目になったとか(^^;)
でも何故新装版で解説がカットされたのでしょうね?読みたかったのに・・・。
そもそも何のための新装版?とにかく色々な意味で騙されました(苦笑)

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267267
◆満足度★★☆

■こんな方におすすめ!

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Tag:乾くるみ

COMMENT 2

Sat
2015.05.09
08:17

mokko

URL

なるほど・・・

イニシエーションラブで、すっかり騙されまして
読後感があまりよくなかったので、もういいやって
思ってたんですけどね・・・
不思議なのはイニシエーション・・・は、随分と積んでいて
かなり遅れて読んだのに、それからずいぶん経ってから
いきなり目にする事が増えて謎だったんですけど
映画化が決まってたんですねぇ
今更ながら納得です。
あれを映像化するなんてねぇ~ちょっと気になります(^◇^;)
どうせ騙されるなら、スカっと騙されたいので
作為的に誘導されるのはちょっと嫌かもです( ̄▽ ̄;)ゞ
それでなくても推理できないんですから(○ ̄m ̄)

Edit | Reply | 
Sun
2015.05.10
12:25

翠香

URL

mokkoさんへ

イニシエーション・ラブはもう10年以上も前の作品なのですが、
ブームが何回か来ているのですよね。
私が読んだ頃もちょっとしたブームになっていたのですが、
それからしばらく停滞していて、芸能人の紹介で再び火が付いたみたいです。
叙述ミステリがそもそも作為的に誘導するものですからねぇ(^^;)
本作は見取り図があったので、館ものだと思ったのですよね。
叙述を読むつもりではなかったのに・・・騙されました(苦笑)

Edit | Reply | 

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