Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【水の柩】 道尾秀介

 11, 2015

◆◇◆いっしょにやり直しに行こう◆◇◆

道尾秀介(シリーズ外)
長編
講談社 2011.10
  講談社文庫 2014.8

■あらすじ

平凡な毎日を憂う逸夫は文化祭をきっかけに同級生の敦子と言葉を交わすようになる。タイムカプセルの手紙を取り替えたいという彼女の頼みには秘めた真意があった。同じ頃、逸夫は祖母が五十年前にダムの底に沈めた「罪」の真実を知ってしまう。それぞれの「嘘」が、祖母と敦子の過去と未来を繋いでいく。

(講談社文庫より)

■感想
テーマ読み「水」、5番手は【水の柩】です。

道尾秀介作品を読むのはこれで3作目です。
前に読んだ2作は仲間と結託して何かを成し遂げようとする、ワクワクドキドキ感があったのに対し、
本作は全般的に陰鬱な雰囲気だった為、読んでいてどんよりしてしまい、あまりページが進みませんでした
タイトルに「柩」があるので多少覚悟はしていたのですが・・・。

本作は現在と9か月前の過去とを交互に描くカットバック形式で進んでいきます。
「現在」では、主人公である中学三年生の逸夫が、
実家が経営する旅館河音屋で働く従業員たちと共に、バスに揺られてダムに向かっていく様子が語られます。
何故か逸夫の傍らには、逸夫の同級生・敦子の小さな妹・史がいて・・・。

過去パートでは、文化祭で逸夫のクラスではお化け屋敷をやることになり、その顛末が語られます。
逸夫は買い物係に決まり、同じ係になった敦子と言葉を交わすように。
ところがある日敦子から思いがけない提案をされる。
小学六年生の時に校庭に埋めたタイムカプセルの中に入れた手紙を取り換えようというのだ。
手紙は20年後の自分へ向けたものを各自書いたのだが、いじめを受けていた敦子はいじめの告発文を書いた。
しかしこの手紙がある限りいじめのことを忘れられない。
手紙を取り換え、いじめをなかったことにしたいというのだ。
逸夫は不承不承ながらも敦子に協力することに。
一方、逸夫の祖母・いくはがらっぱちな性格で、逸夫は何やかやと用事を言いつけられていたのだが、
旅館に幼馴染の老婦人が訪れて以後、まるで人が変わったようになってしまう。
いくには誰にも言えない秘密があったのだ。

文化祭といえば、私も逸夫と同じ中学二年生の時、クラスで迷路をやったのです。
教室の中に段ボールで通路の壁を作って・・・
アイディアはよかったのだけど、意外に通路は暗くて危険だったので、翌年から迷路は禁止になった(苦笑)

いじめが原因の事件が多発している昨今、敦子が受けていたいじめは読んでいて辛く、
少しずつ悲劇へ向かっていくと感じるので読み進めるのが怖かったです。
ただミステリとしての驚きは他の2作ほどではなかったのが残念。
道尾さんは文章が上手いのですが、読者を嵌めるための描写が作為的で不自然だったのが気になる。
もっと「やられた~」と唸るぐらい鮮やかに騙してほしかった
まあ多少肩透かしは喰らったものの、思っていたほど悲劇的な結末ではなかったのでホッとしました。
タイトルは秀逸。ダムは過去の辛い記憶を葬る巨大な柩だったのですね。

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267
◆満足度★★☆

■こんな方におすすめ!

  • 切ないお話が好きな方
  • 前向きな気持ちになりたい方

◆テーマ読み「水」◆
テーマ読み「水」

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Tag:道尾秀介

COMMENT 2

Wed
2015.08.12
20:41

mokko

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おっと危ない

被るところでした(^◇^;)
検索で引っかかったんだけど、イジメというのが気になって
外しました。
やはり読んでいて辛いのは困りますよね

Edit | Reply | 
Thu
2015.08.13
22:15

翠香

URL

mokkoさんへ

あらすじには書かれていなかったので、いじめがあるとは知らなかったのですよね。
前に読んだ2作はもっとライトでドキドキ感があったので・・・。
本作は道尾マジックがあまりうまく機能していなかったのが残念。

Edit | Reply | 

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