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【本をめぐる物語 一冊の扉】 ダ・ヴィンチ編集部 編

 08, 2015

◆◇◆新しい一歩を踏み出すとき◆◇◆

中田永一・宮下奈都・原田マハ・小手鞠るい・朱野帰子・
沢木まひろ・小路幸也・宮木あや子

アンソロジー
角川文庫 2014.2


■あらすじ

古書店と同じにおいの高校の部室、好きなキャラの二次創作小説に没頭しているときだけ、私は自由だった。けれど先輩からある耳慣れない指摘を受けて、自分の作品の弱さを知る。小説をうまくなりたい、そのためには……(「メアリー・スーを殺して」)。ほか、遺作の装幀を託された“あなた”、出版社の校閲部で働く女性などを描く、人気作家たちが紡ぐ様々な「本をめぐる物語」。新しい一歩を踏み出すとき、そばにはきっと本がある。
(角川文庫より)

■感想
この本は、本の雑誌ダ・ヴィンチ編集部が本にまつわる作品を集めたアンソロジーです。
ダ・ヴィンチ』に掲載された作品がほとんどですが、書き下ろしも二編含まれています。
8人の作家さんは、ほとんどがミステリ畑ではない方々なので、原田マハさん以外は初見でした。
8編の物語は、小説を書く人、編集、校閲する人、本の装幀をする人など、本への関わり方は様々。
各作品、約30ページほどの短編なので、さらりと読めますが、全体的にインパクトに欠ける気がしました。
それではそれぞれの作品についての感想を──。


◆メアリー・スーを殺して 中田永一
 メアリー・スーって何となく聞き覚えがあったのですが、そういう暗喩だったのですね。
 二次創作小説の為、という動機は不純ですが、
 ダイエットをしたり、専門知識を得るために勉強したりと、ヒロインのバイタリティが凄い。
 やはり好きなもの、興味があることの為なら心血を注げるものなのですね。

◆旅立ちの日に 宮下奈都
 短編というより、約10ページのショート・ショート。
 一人暮らしを始める娘に父が贈った本。
 ちょっと不器用な父の姿がそこにありました。

◆砂に埋もれたル・コルビュジェ 原田マハ
 認知症の父と二人暮らしの娘・・・何だか身につまされる思いです。
 父の戦争体験は、世界的な工業デザイナーの方の実話を元にしているそうです。
 やりたいことがあってもままならなかった時代。それに比べれば現在は恵まれています。
 諦めたらそこで終わり。自分で限界を決めてはいけないですよね。

◆ページの角の折れた本 小手鞠るい
 本の装幀は出版社が手掛けるものだと思っていたのですが、
 装幀家という職業があることを初めて知りました。仕事ぶりを垣間見ることが出来たのは良かったです。
 内容は、この世を去った女性作家と装幀家の女性が本を通して繋がっているというお話。
 悲しくもあり、ちょっと不思議なお話でした。

◆初めて本をつくるあなたがすべきこと 朱野帰子
 書き下ろし作品。プライドがチョモランマよりも高い、面倒くさい男ですねぇ
 その夫の顔色を窺っている妻・美咲にもイライラ
 でも最後は痛快でした。あ~スッキリ(笑)
 しかし二冊目とか言ってますけど・・・攻防戦は果てしなく続く・・・のかな?(^^;)

◆時田風音の受難 沢木まひろ
 書き下ろし作品。これ、面白かったです。女難の相が出ている、とほほな男が笑えた(^▽^)
 家族にも虐げられ、愛している女は猫のホタルだけとはねぇ。なんともかんとも。
 編集者も、やる気のない作家の尻を叩いて書かせるのも大変なんですねぇ。
 しかし、その気にさせておいてこのオチは・・・やっぱりとほほな風音(笑)

◆ラバーズブック 小路幸也
 このアンソロジーは女性作家が多く、女性が主人公の作品が大半の中で、
 男っぽさが際立っていました。アメリカ映画のワンシーンみたい。
 本に旅をさせる・・・ちょっと粋で素敵なお話でした

◆校閲ガール 宮木あや子
 この作品のみミステリテイスト(日常の謎系)で話としては好みだったのですが、
 主人公の女性の言葉遣いがどうにも受け入れ難く・・・。
 希望の部署に異動する為に、今の部署で気に入られないような演技をしている・・・ということだけど、
 そんな甘い考えは通用しない。文章を直す仕事をしているなら、自分の言葉遣いも気を付けるべきです。

 

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)
 ★★★

■こんな方におすすめ!

  • 本が好きな方
  • 本の装幀や編集の仕事に興味がある方
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Tag:ダ・ヴィンチ アンソロジー

COMMENT 2

Fri
2015.11.20
21:57

mokko

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これまた・・・

本にまつわる本なんて、ステキ過ぎますぅ~
本を作り上げるのに色んな人の手がかかってるってのは
何かの本で読んでいたけれど、それがどんな作業なのかってのは
詳しく説明されてなかったんですよねぇ~
職人なんだなぁ~とは思ったものの、そういうのを知るのも
楽しいですよね
これも面白そうです((o(*´∀`*)o))わくわく♪

Edit | Reply | 
Sat
2015.11.21
17:22

翠香

URL

mokkoさんへ

今まで編集者の苦労を書いた話は読んだことがあったけれど、
校閲や装幀家などの仕事ぶりを垣間見れたのは良かったです。
色々な裏方の人々の手がかかって、私達の元へ本が届けられるのですよね。
なので図書館利用の人もなるべく本を買ってあげて欲しいなと思いますね。
この「本をめぐる物語」シリーズは他に2冊出ているようなので、
またいずれ読んでみたいなと思ってます(^^)

Edit | Reply | 

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