Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【刺青殺人事件】 高木彬光

 29, 2016

◆◇◆名探偵神津恭介デビュー作!◆◇◆

神津恭介シリーズ1
長編
光文社文庫 1989.10
  光文社文庫(新装版) 2013.10


■あらすじ

野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。艶美な姿に魅了された元軍医・松下研三は、誘われるままに彼女の家に赴き、鍵の閉まった浴室で女の片腕を目にする。それは胴体のない密室殺人だった──。謎が謎を呼ぶ事件を解決するため、怜悧にして華麗なる名探偵・神津恭介が立ち上がる!江戸川乱歩が絶賛したデビュー作であると同時に、神津恭介の初登場作。満を持しての復刊!
(光文社文庫より)

■感想
片岡愛之助さん主演でドラマ化されたのを受けて、先に短編集と【呪縛の家】を読んだため、
順番が前後してしまいましたが、本作が高木彬光氏のデビュー作で、神津恭介初登場作です。
高木氏は、占い師に小説を書くことを勧められ、初めて書いた小説をわずか3週間で書き上げたという天才肌。
それを一面識もない江戸川乱歩に送り、乱歩の推薦文付きで刊行されるという、
シンデレラストーリーを果たしました。
現在の形は、6年後に改稿されたものですが、それにしてもデビュー作でこのクオリティの高さには舌を巻きます。

さて、このシリーズには魅力的な名探偵──神津恭介が登場します。
美青年でありながら6か国語を操り、旧制大一高在学中に書き上げた整数論の論文が、
ドイツの学術雑誌に掲載され、「神津の定理」と呼ばれるという超天才的な頭脳の持ち主です。
古今東西名探偵というものは変わり者であると相場が決まっていますが、
神津恭介は本当にカッコいいのですよ。ちょっとスーパー過ぎる気もしますが・・・。
その分、親友でワトソン役の松下研三が抜けていて憎めないキャラクターなので、バランスが取れているかな。

この作品は終戦1年後の東京が舞台となっています。
背中に大蛇丸の刺青がある野村絹枝が自宅の浴室で殺害された。
死体はバラバラに切断され、何故か胴体だけが消失していた。
さらに浴室は内側から鍵が掛けられた密室状態だった──。

作中でも述べられていますが、日本家屋において密室を構成するのは非常に困難です。
天井裏と床下が地続きだからです。唯一独立した部屋が浴室なのですね。
なるほど第二作の【呪縛の家】でも浴室が殺害現場に使われており、
海外ミステリのような不可能犯罪を構築するのに苦心した跡が窺えます。

密室トリックは今となっては陳腐なものですが、当時としては画期的なアイデアだったのではないでしょうか。
映像で実演シーンを見てみたいですね(^^)
それよりも現場の状況に巧みにミスリードを施し、
それだけでなく、別の効果も狙ったトリックの上手さに目を瞠りました。
ただ刺青に関しては、アンフェアな部分があったので、満点とはいかず-0.5点とさせていただきました。

刺青というと堅気でない者のイメージですが、
海外のタトゥーと比べると微妙な色使いや図柄など芸術的価値のあるものなのですね。
物語の前半は研三をも虜にしてしまった耽美な世界が広がっていました。
後半の神津登場後のスタイリッシュさとの対比も面白い作品です。

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267267267267
◆満足度★★★★☆

■こんな方におすすめ!

  • 本格推理が好きな方
  • 耽美な世界を堪能したい方
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Tag:高木彬光 神津恭介

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