Love knot~ミステリ&フィギュア通信~

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【小袖日記】 柴田よしき

 06, 2016

◆◇◆源氏物語制作の秘密!?◆◇◆

柴田よしき(シリーズ外)
連作短編集
文藝春秋 2007.4
  文春文庫 2010.7


■あらすじ

上司との不倫に破れて自暴自棄になっていたあたしは、平安時代にタイムスリップ! 女官・小袖として『源氏物語』を執筆中の香子さまの片腕として働き、平安の世を取材して歩くと、物語で描かれていた女たちや事件には意外な真相が隠されていた──。ミステリーをはじめ幅広いジャンルで活躍する著者の新境地。
(文春文庫より)

■感想
ずっと気になりつつも積読していた本作。ようやく読むことが出来ました。

不倫相手に別れを告げられ、自暴自棄になっていた「あたし」は、
真夜中の公園をさまよい、雷に打たれてしまう。
気が付いたら、目の前にはおかめの大群。どうやら平安時代にタイムスリップしてしまったらしい。
正確に言うと、千年の時を経て小袖という女官と肉体が入れ替わってしまったのだった。
小袖は、香子(こうし)さま付きの女官なのだが、
香子さまとは、中宮彰子さまの教育係でもあり、かの源氏物語の作者その人だった。
さらに驚くことに、小袖が宮中の噂話を拾い集めてネタを提供し、香子が物語を作り上げていた。
源氏物語の作者は小袖と香子のチーム「紫式部」だったのだ!

いやはやなんともぶっ飛んだ設定ですねぇ。
人体入れ替わりというと、昨年ドラマ化された「民王」を思い起こしますが、
さすがに千年の隔たりがあるとそんな無茶苦茶なと思ってしまいます。
しかも「あたし」が飛ばされた千年前の世界は、どうもパラレルワールドであるらしい。

もう柴田さんのあけすけな文章が痛快で、何度も吹き出してしまいました。
例えば源氏物語について、

だいたい、源氏物語は嫌いなのだ。なんだあの光源氏とかいう節操のない色魔野郎は。おまけにロリコンで、何も知らない少女を監禁同然にして自分の好みの女に仕立てあげるなどとは言語道断の変態男である。

と、こんな論調(笑)。宮中の女性を虜にした色男も形無しですね(^^;)
でもその作品を書いている女官付きになってしまうのだから、なんという運命の皮肉なんでしょう。

当時の衣食住についても事細かに書かれており、
大学で日本古典文学を専攻していた私でも知らないことが多く、大変ためになりました。
また、小袖がアイスクリームを作ってみたり、病気を言い当てたりと、
タイムスリップものならではのお楽しみもあります

内容は、「夕顔」「末摘花」「葵」「明石」「若紫」の5章からなります。
いずれも源氏物語では有名な話ですね。
光源氏のモデルは何人かの公達のイメージを重ね合わせたとしており、
源氏物語の話になぞらえた出来事が起きるのですが、
どうも我々の知る源氏物語とは微妙に話の流れが違っていて・・・。
そのユニークな解釈も楽しめました♪

終盤に意外な人物が登場したことで、「あたし」が元の世界に帰れる希望が生まれてきたのですが、果たして!?
ただSFユーモアで終わるのではなく、
「女性はいつの時代も大変よね。でも前向きに頑張っていこう!」
そんな柴田節に溢れる作品でした

■評価(5個が最高:★は1点、☆は0.5点)

 ◆トリック度267267
◆満足度★★★★

■こんな方におすすめ!

  • 女性の方
  • 源氏物語が好きな方
  • 平安時代の文化に興味がある方

■この本にハマったら、こちらもいかが?

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Tag:柴田よしき タイムスリップ

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